盆提灯(ぼんちょうちん)とはお盆のときに灯す提灯のことです。基本的には毎年同じものを使っても問題ありませんが、古くなったときや傷んだときには処分が必要になります。
そこで今回は、盆提灯の処分方法について詳しく解説します。自宅で処分する方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【目次】
盆提灯とは
盆提灯の種類
白提灯の処分の時期
盆提灯の処分方法
家庭ごみとして処分する
お寺のお焚き上げで処分する
不用品回収業者に依頼する
仏壇店に持ち込む
盆提灯を自分で処分する際の注意点
お清めとして塩をひとふりする
白い紙に包んで処分する
まとめ
盆提灯とは
盆提灯とは、お盆の時期に飾る提灯のことです。お盆の間は明かりを灯し、ご先祖様が帰ってくるのを迎えます。
なお、明かりを灯す時間は、地域によって異なるので確認しておきましょう。一般的には夕方から夜にかけて明かりを灯すことが多いです。
盆提灯は、家族が亡くなって初めてのお盆(初盆:はつぼん、新盆:にいぼん)のときに、親戚や故人と親しかった人からお供えとして贈られるものです。絵柄が入ったものを1対にすることが正式とされていますが、予算や飾る場所などを考慮して1つのみ贈られることもあります。
盆提灯の種類
盆提灯には、白提灯(しろちょうちん)と呼ばれるものと絵柄入りのものの2つの種類があります。白提灯は初盆のときだけに飾る提灯で、真っ白あるいは透かし模様の和紙が張られていることが一般的です。地域によっては家紋や家名を入れることもあります。
一方、絵柄入りのものは新盆に限らず、いつでも飾ることができる提灯です。白提灯は基本的に故人1人に対して1つのみ飾りますが、絵柄入りの提灯はお供えとしていただくこともあるので、たくさん飾っても問題ありません。
白提灯の処分の時期
白提灯は初盆のための提灯なので、初盆が終わったらすぐに処分します。送り火として燃やして処分しますが、住宅事情などで全部を燃やすことが難しいときは、一部だけを燃やして残りをごみとして処分することもあります。
ただし、地域や宗派によっては翌年以降も飾ることがあるので、処分する前にお寺や年長者などに確認しておきましょう。
盆提灯の処分方法
絵柄入りの盆提灯は毎年使うことができますが、古びてしまったり、和紙や台が破損したりしたときなどは処分を検討します。盆提灯の処分方法としては、次の4つの方法が一般的です。
- 家庭ごみとして処分する
- お寺のお焚き上げで処分する
- 不用品回収業者に依頼する
- 仏壇店に持ち込む
それぞれの処分方法について見ていきましょう。
家庭ごみとして処分する
本来であれば、盆提灯は送り火として燃やす「お焚き上げ(おたきあげ)」で処分します。しかし、自宅でお焚き上げが難しいときは、盆提灯のろうそくを入れる火袋に火をつけて少し燃やし、しっかりと消火してから家庭ごみとして処分してはいかがでしょうか。
家庭ごみとして捨てるときは、地域のルールに従って分別することが必要です。盆提灯にプラスチックなどが使われているときは、分解して、適切に分別しましょう。
お寺のお焚き上げで処分する
お寺によっては、お焚き上げを実施していることがあります。お焚き上げの時期はお寺によっても異なるので、まずは菩提寺に問い合わせてみましょう。
ただし、お焚き上げを実施している場合でも、盆提灯にはプラスチックなどの不燃物が使われることがあるので断られる可能性があります。問い合わせる際には、盆提灯を受け付けているのか確認しておくことが必要です。
不用品回収業者に依頼する
地域を巡回している不用品回収業者に引き取ってもらえることがあります。巡回業者が見つからない場合には、インターネットや電話帳で調べて回収に来てもらいましょう。
業者ごとに回収可能なものを決めているため、場合によっては盆提灯を引き取ってもらえない可能性があります。また、回収費用がかかることもあるので注意が必要です。
仏壇店に持ち込む
ご自身で購入した盆提灯の場合は、購入した仏壇店に持ち込めば、処分してくれることがあります。ただし、どの仏壇店でも引き取ってくれるわけではないので、まずは電話をかけて確認しておきましょう。
新しく買い替える場合であれば、購入していない仏壇店でも古い盆提灯を引き取ってくれることがあります。この場合も、事前に電話で引き取りに対応しているか確認しておくことがおすすめです。
凝った細工などの気に入っている盆提灯であれば、修理をして使い続けることもできます。販売店がわかっている場合は、修理が可能か尋ねてみましょう。
盆提灯を自分で処分する際の注意点
盆提灯を自分で処分する方法は、次の2つです。
- 盆提灯全体をお焚き上げする
- 盆提灯の一部(火袋)のみをお焚き上げし、家庭ごみとして処分する
盆提灯全体をお焚き上げするときは、近所に迷惑にならない程度の十分なスペースがあることが前提となります。また、盆提灯にプラスチックなどの燃やすと有毒ガスが発生するパーツが使われていないかも確認しておきましょう。
お清めとして塩をひとふりする
家庭ごみとして処分するときは、燃やせないゴミに分類されるパーツが使われていないか確認します。正しく分別してからお清めとして塩をひとふりしましょう。
なお、盆提灯はご先祖様をお迎えする際の目印になるものであって、盆提灯自体には霊魂は入っていません。そのため、特にお清めをせずに家庭ごみとして処分しても差し支えないといえます。
しかし、親戚や故人の友人から贈られた盆提灯であれば、思いがこもった大切なものです。また、ご家族で買ったものであっても、長年大切に使ってきたという思いがこもっています。単にごみとして扱うのではなく、お清めのひと手間をかけるほうがよいでしょう。
白い紙に包んで処分する
塩でお清めをした後は、白い紙に盆提灯を包んでから地域のごみの袋に入れます。白い紙がない場合には、盆提灯が入っていた箱の中の紙や模造紙などを活用しましょう。
また、盆提灯全体をお焚き上げした場合も、燃えた灰の処分が必要になります。廃棄が難しいときは、白い紙に包んで家庭ごみとして処分するようにしましょう。
まとめ
盆提灯は明かりの部分が和紙でできているため、いつかは壊れてしまいます。修理して使い続けられることもありますが、難しいときは処分が必要です。作法に則り、今までご先祖様をお迎えしてくれた感謝をこめて適切に処分しましょう。
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