
掛け軸を鑑定に出すと、作品の確かな価値が判断できます。有名作家の作品は贋作が出回るケースもあるため、売却時は専門家による鑑定や査定が重要です。今回は、鑑定時に掛け軸の評価を高めるためのポイントについて解説します。買取に出したい掛け軸が手元にある際は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
掛け軸の鑑定時に確認されるポイント
作家の落款や署名
肉筆か印刷か
画風やモチーフ(題材)
鑑定書の有無や入手ルート
価値が高い掛け軸の特徴
掛け軸の鑑定評価を高めるポイント
付属品や鑑定書があれば揃えて鑑定に出す
無理に手入れは行わない
作品の保管に気をつける
入手ルートを確認する
掛け軸の買取なら永寿堂へお任せください
まとめ
掛け軸の鑑定時に確認されるポイント
掛け軸の鑑定では、真贋を判断するため主に以下のポイントが確認されます。
- 作家の落款や署名
- 肉筆か印刷か
- 画風やモチーフ(題材)
- 鑑定書の有無や入手ルート
手元にある掛け軸が古いものだったり、自分自身で購入したものではなかったりする場合、その価値を素人が判断するのは容易ではありません。まずは、専門家が査定時に重要視するポイントについて解説していきます。
作家の落款や署名
掛け軸は、著名な作家の作品であるほど価値が高くなります。作家が誰なのか判断するために確認するのが「落款(らっかん)」や「署名」です。
落款とは、掛け軸が完成した際に押されるハンコのようなものです。「落款印(らっかんいん)」とも呼ばれ、作者名のほか、掛け軸が誰に向け、どこでどのような理由で作成されたのかを知る手がかりになります。
肉筆か印刷か
掛け軸には肉筆と印刷、2種類のタイプがあります。作者が直接描いた肉筆の掛け軸は、一点ものであることが大きな特徴です。そのため高額になりやすく、著名な作家の作品であるほど希少価値は高まります。
肉筆と印刷の見極めは、素人では難しい作業です。昨今の印刷技術は精度が高く、見極めには高度な知識や経験が求められます。鑑定時も直接手に取ったうえで、色合いや文字のにじみ具合などの確認作業が必要です。
画風やモチーフ(題材)
画風やモチーフは、掛け軸の制作時期を知る手がかりになります。掛け軸は、年代が古いほど価値が高くなるのが一般的です。鑑定では山水や花鳥、モチーフの宗教的な色合いの強さなどをもとに制作時期を推測します。
例えば、仏教に関係のある人物をモチーフとする「道釈画(どうしゃくが)」は、主に鎌倉・室町時代に描かれたものです。
鑑定では、これらの画風やモチーフ、前述した作者の情報などを照らし合わせながら掛け軸の価値を見極めていきます。
鑑定書の有無や入手ルート
鑑定書は、掛け軸が真作であることを示す証明書のような役割をもちます。鑑定機関や専門家の手により、亡くなった作家の作品に対して作成されるのが一般的です。
ただし、なかには鑑定書そのものがコピーされた偽物であるケースも存在します。そのため、鑑定時は鑑定書が信頼できるものであるのか確認しなくてはなりません。
また、入手ルートも作品の真贋に関わる重要な要素です。美術館や有名なコレクターなど、正規ルートからの入手品であるほど掛け軸の価値は高まります。
価値が高い掛け軸の特徴
価値が高い掛け軸には、以下のような特徴があります。
- 著名な作家が手掛けている
- 古い年代に制作されている
- 保存状態が良い
- 中国で制作された掛け軸
鑑定時に確認するように、作家の情報は掛け軸の価値に直結する重要なポイントです。さらに、制作年が古く現存数が少ないほど掛け軸の希少価値は高まります。
また、買取価格には保存状態の良さも影響します。そもそも掛け軸は、床の間や壁などに飾り観賞するためのものです。汚れや変色、破れのないものであるほど買取価格は高くなるでしょう。
また、一部のコレクターには中国の掛け軸が好まれる傾向にあります。素人による判別は簡単ではないものの、鑑定により中国の作品と判明した場合は、市場価値に見合うだけの価格が期待できるでしょう。
掛け軸の鑑定評価を高めるポイント
手元にある掛け軸の鑑定評価を高めたいときは、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 付属品や鑑定書があれば揃えて鑑定に出す
- 無理に手入れは行わない
- 作品の保管に気をつける
- 入手ルートを確認する
前述したように、掛け軸の鑑定では落款の有無や鑑定書の内容、作品のモチーフなどが確認されます。そのため、鑑定に出す際はそれらを理解したうえでの準備が大切です。
大切な掛け軸を鑑定に出す前に、ここでは1つひとつのポイントについて確認していきましょう。
付属品や鑑定書があれば揃えて鑑定に出す
付属品とは、掛け軸が収納されている木箱や作品に関する書類のことです。これらが揃っている場合は、あわせて鑑定に出しましょう。掛け軸だけでなく、木箱にも作品に関する情報が記されている可能性があります。
鑑定書がある場合も同様です。鑑定書の内容が事実だと判別できれば、掛け軸の価値がより高まります。
無理に手入れは行わない
掛け軸にシミや汚れがあると芸術品としての価値が下がってしまいます。ただし、無理な手入れはおすすめしません。誤った方法で手入れをすると、かえって状態が悪化し価値が下がってしまう恐れがあります。
シミの状態によっては、専用の薬品が必要です。破れの修復にも専門知識や経験が求められるため、素人判断でこすったり濡らしたりしないように気を付けましょう。
作品の保管に気をつける
掛け軸の多くは、和紙で作られています。そのため、保管時は虫の発生や汚れ、折れ、カビなどに注意が必要です。
保管時は折り目がつかないよう丁寧に巻き、箱に収納してください。箱は桐箱が理想的ですがプラスチックケースでも代用可能です。防虫剤を入れれば、虫食いなどの被害を防ぐ効果が期待できます。
長期間そのままにしておくと巻き癖がつく可能性があるため、年1~2回を目安に、空気が乾燥した日に日影に干すことをおすすめします。
入手ルートを確認する
掛け軸を鑑定に出す前は、入手ルートを確認しておきましょう。特に、鑑定書がない場合は、自身の手元に届くまでの経由について鑑定士に伝えられるようにしておくことが大切です。
すでに持ち主が亡くなっている場合は、関係する家族や知人に尋ねてみるという方法もあります。友人から譲り受けた品であれば、入手先について問い合わせてみるのがおすすめです。
信頼できるルートであるほど掛け軸の価値は高まるため、可能な限り掛け軸が手元に来るまでのルートを明らかにしてみてください。
掛け軸の買取なら永寿堂へお任せください
掛け軸の買取は「永寿堂」までご相談ください。掛け軸は描かれるものやサイズによりさまざまな種類にわかれますが、当店では種類を問わず査定を承っています。
希少性が高いものであれば、高額査定となる場合もございます。ご自身で状態を判断し破棄される前に、お気軽に買取サービスをご依頼ください。
掛け軸の状態や種類によっては買い取ることができないものもございますので、スムーズに査定できるよう、お電話またはLINEでのご相談をおすすめします。
過去にも掛け軸の買取実績があり、詳細は「買取実績・お客様の声」でご確認いただけます。掛け軸のほか、茶道具や骨董品などの買取も可能です。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メール:info@eijyudou.com
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まとめ
掛け軸の鑑定では、作家の情報や付属品の有無、保存状態などが重要視されます。年代が古いものであるほど希少価値も高くなりますが、素人がそれらを判断するのは容易ではありません。
鑑定をしないまま他者に売却すると、品物に見合わない価格で取引されてしまう可能性があります。また、汚れやシミ、破れなどがある掛け軸も希少価値が高い品であれば高値が期待できます。
掛け軸の確かな価値を見極めるためにも、ぜひ専門業者への相談を検討してみてください。
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