骨董品を売る際には税金がかかります。骨董品などの売却(譲渡)で得た所得は課税対象となり、確定申告をしないといけません。この記事では、譲渡所得の計算方法について徹底解説。骨董品に関わるそのほかの税金についても紹介します。心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.骨董品を売った場合は課税対象!
全ての骨董品に税金がかかるわけではない
課税対象になる骨董品の種類
課税対象になるものがあれば確定申告を!
確定申告をしない場合の罰則
2.骨董品の売却における譲渡所得の計算方法
そもそも譲渡所得とは?
基本的な譲渡所得の計算方法
取得費が不明な場合の計算方法
3.譲渡所得にかかる税金の計算方法
長期譲渡所得と短期譲渡所得の考え方
譲渡所得が0円以下になった場合は税金がかからない
4.骨董品に関わるそのほかの税金
固定資産税
相続税
住民税・国民健康保険料
5.骨董品を売りたい場合は永寿堂がおすすめ
6.まとめ
骨董品を売った場合は課税対象!
骨董品を売ることによって利益を得た場合、その利益は所得として捉えられ、課税されることになります。ただし、全てのものが課税とみなされるわけではありません。ある条件を満たすと課税されてしまうということを覚えておいてください。
以下では、次の4つの項目に分けて骨董品の課税について解説しますので見ていきましょう。
・全ての骨董品に税金がかかるわけではない
・課税の対象とされる骨董品の種類
・売却時は、課税の対象かどうかを確認して確定申告を!
・確定申告をしない場合の罰則
骨董品に関する課税や罰則などについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
全ての骨董品に税金がかかるわけではない
骨董品は、無条件ですべてのものに税金がかかるわけではありません。税金がかかる条件は、「1点の売却金額が30万円を超えた場合」とされています。税法においては、「生活において必要のないもの」を売って利益を得た場合や、貴金属や骨董などの売却価格が30万円を超えた場合、あるいは給与のほかに副収入として年間に20万円を超える利益(所得)を得た場合には、その利益分に対して課税されることになっているのです。
他方で、1点あるいは1組の価格が30万円に満たないものは、「生活で使うもの(いわゆる生活用動産)」の売却に該当し、この場合は課税されないことになっています。
例を挙げるとすれば、5万円の値が付いた骨董品を8つ売って40万円の利益を得たとしましょう。これは、課税されません。合計金額ではなく、1点で30万円が条件なので、複数売ったとしてもそれぞれが生活用動産として判断されます。
課税対象になる骨董品の種類
代表的な骨董品の種類は、以下の5つです。
・絵画
・掛け軸
・ブロンズ像
・陶磁器
・茶道具
・書画
これらは、ほとんどが30万円を超えるために課税対象となります。こういったものを売る方の中には、「陶磁器は普段使っているのに税金がかかるのはおかしい」という方もいます。とはいえ、1点で30万円以上の条件を満たすことにより、課税されてしまうことになるので注意しましょう。
骨董品を専門に買い取る業者の中には、1組30万円以上するものは分けて買い取ってくれる業者もいます。売却する際に税金が心配な場合は、骨董品のプロに相談してみましょう。
課税対象になるものがあれば確定申告を!
課税されるものを売却して利益を得たならば、必ず確定申告をしなければなりません。確定申告とは、利益に対してかかる税金を、自分で計算して清算する手続きのことをいいます。1年ごとに計算するものであるため、忘れずに手続きをしましょう。
確定申告の手続きをしたからといって、必ずしも税金を支払わなければいけないわけではありません。計算の結果、課税額が0円になることもあるのです。
確定申告をしない場合の罰則
骨董品を売ることによって利益を得たはずであるのに、確定申告を行わない場合は罰則が科せられるため注意しましょう。申告の必要があるのに無申告だった場合は、無申告加算税や延滞税を科せられます。
無申告加算税とは、確定申告がされなかった場合の追徴課税です。本来納めるはずだった税金に対して50万円までは15%、50万円を超えると20%を上乗せして支払わなければなりません。
延滞税は、税金を期間内に収めなかったときに発生する税金です。期限の翌日から2ヶ月までは7.3%、2ヶ月を経過すると14.6%が上乗せされます。さらに故意に確定申告をしなかったとみなされると、500万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役、あるいはその両方が科せられます。
課税対象の骨董品がある場合は、必ず確定申告をしましょう。
骨董品の売却における譲渡所得の計算方法
ここからは、骨董品の売却における譲渡所得の計算方法について見ていきましょう。以下の3つの項目に分けて解説していきます。
・そもそも譲渡所得とは?
・基本的な譲渡所得の計算方法
・取得費が不明な場合の計算方法
計算方法だけを覚えても、すぐに税金が把握できるわけではありません。まずは、譲渡所得について正しく理解し、その上で計算方法を覚えていきましょう。以下でそれぞれ解説していきます。
そもそも譲渡所得とは?
譲渡所得とは、所得税の区分に挙げられる所得の一つです。資産の譲渡や貸し借りで発生した所得のことを指し、臨時所得とされるものです。
資産の譲渡には、骨董品以外にも以下のものが当てはまります。
・土地
・建物
・借地権
・宝石
・金地金
・船舶
・ゴルフ会員券
譲渡所得とされるのは骨董品だけではないため、計算をするときは上記に該当するものがないかを全てチェックしておきましょう。
基本的な譲渡所得の計算方法
まずは、基本的な譲渡所得の計算方法を把握しましょう。以下の計算式をご覧ください。
譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用) |
取得費とは、骨董品の購入代金のことです。骨董品の購入にかかった費用のほかにも、手数料や改良費、設備費なども合算できます。
譲渡費用とは、売るためにかかった費用のことです。買取業者に支払った手数料などがこれに該当します。証明として見積書や領収書が必要になるので、それらは必ず取っておくようにしてください。
取得費が不明な場合の計算方法
故人が生前持っていた骨董品や友人からもらった美術品は、その取得にどのくらいの費用がかかったかはわからないでしょう。その場合、譲渡金額の5%を取得価格とみなして計算する決まりになっています。例えば、譲渡金額が50万円に決定した場合は2万5,000円です。
ちなみに、実際の取得費が売った金額の5%を下回る場合でも、売った金額の5%相当額を取得費として計算することができます。
譲渡所得にかかる税金の計算方法
譲渡所得にかかる税金は、以下の計算式で求められます。
税金を計算する上での譲渡所得=短期譲渡所得金額+長期譲渡所得金額×1/2-50万円 |
最後にマイナスされている50万円は、特別控除です。この50万円は、譲渡所得にかかる税金の計算には必ず付いています。また、税金を計算する場合は保有年数も関わってくるのです。そのため、以下では長期譲渡所得と短期譲渡所得について解説します。
長期譲渡所得と短期譲渡所得の考え方
長期譲渡所得と短期譲渡所得の考え方について把握しておきましょう。税金を計算する場合は、保有年数も関わってくると前述しました。保有年数によって、長期と短期のどちらに当てはまるかが決まるのです。
保有年数が5年以内の場合は短期譲渡所得となり、5年以上の場合は長期譲渡所得となります。長期譲渡所得の場合、売った金額の半分が課税対象です。骨董品の税金を計算する場合は、保有していた年数で分けて考える必要があるため注意しましょう。
譲渡所得が0円以下になった場合は税金がかからない
課税対象である骨董品の税金計算をした結果、譲渡所得が0円以下になった場合は税金がかかりません。例えば3年間保有し、100万円で売った骨董品があったとします。この骨董品の取得費は60万円だったとしましょう。
そうすると、以下のような計算式になります。
(100−60)−50=−10万円
譲渡所得の金額がマイナスとなってしまったので、この場合は非課税となるのです。売った金額が高いからといって、必ずしも税金がかかるわけではないことを覚えておきましょう。
骨董品に関わるそのほかの税金
ここからは、骨董品に関わる以下の税金について解説します。
・固定資産税
・相続税
・住民税・国民健康保険料
これらをそれぞれ把握していなければ、余計に支払ってしまったり、未納と判断されたりする可能性があります。それぞれどのような税金なのかを正しく把握した上で、適正な額をしっかりと納めるようにしましょう。以下で詳しく解説していきます。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物を所有している場合にかかるものです。骨董品は一部の例外を除いて固定資産に含まれないので、基本的にはこの対象になりません。
持っている骨董品が100万円以下の美術品だった場合は、原則として減価償却するものとされています。減価償却とは、時間の経過や使用により価値が減少する資産を持った際に、支払った金額を耐用年数に応じて計上していく計算方法です。
これは、平成27年以降に取得した美術品が対象です。また100万円以上になる美術品であっても「ときの経過により、その価値が減少することが明らかなもの」は減価償却ができます。減価償却した場合は、固定資産税を払う必要があるので注意しましょう。
相続税
相続税とは、死亡した人の資産を相続する際にかかる税金のことをいいます。骨董品は相続財産としてみなされるので、相続税の対象となるのです。相続税の計算式を以下に示します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額 |
基礎控除額よりも相続する財産の合計額が少なければ、相続税を支払う必要はありません。実際に支払いが必要になるケースは数%とされているため、相続税が発生するのはまれなケースと捉えていて問題ないでしょう。
住民税・国民健康保険料
住民税や国民健康保険料は、前年度の所得に応じて金額が変化します。毎月の給与所得や事業所得以外に譲渡所得も加算の対象です。そのため、全ての所得を合計して前年度よりも高くなった場合には、住民税や国民健康保険料が上がる可能性があります。
価値の高い30万円以上の骨董品を売った場合は、これらの税金などが上がることを頭に入れておきましょう。
骨董品を売りたい場合は永寿堂がおすすめ
骨董品を売りたいと考えた場合は、ぜひとも「永寿堂」へご依頼ください。弊社では、専門知識と経験、データから適正な価格を算出いたします。譲渡所得税を計算するため、また正しい価値を知りたい場合におすすめです。
永寿堂では出張費なども無料で対応いたします。よって、無駄なコストをかけることなく売却できるでしょう。気になる方は、電話またはメールでお問い合わせください。
【永寿堂へのお問い合わせ】
・TEL:0120-060-510
・メール:info@eijyudou.com
まとめ
骨董品の売却は、課税の対象とされています。ただし、全てのものが対象となるわけではなく、30万円以上の値が付いたものが対象です。
課税対象となった場合には、確定申告をして納税の手続きをしましょう。手続きをしない場合、ペナルティの対象になるため注意が必要です。
譲渡所得の計算方法と税金の計算方法には、違いがありました。
譲渡所得が0円以下になった場合は、課税の対象にはならないため安心してください。ほかにも固定資産税や相続税、住民税といった税金、国民健康保険料にも所得が関わります。条件によって何が当てはまるか変わってくるため、調べておきましょう。
骨董品の価値を見極めて売りたい場合は、永寿堂へぜひ鑑定や査定をご依頼ください。
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