硯とは、墨を水ですりおろすために使う道具です。硯には、いくつかの種類があります。この記事では、種類別の買取相場や高く売るコツなどを解説。自分の持っている硯がどのくらいの価値になるのかが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1.硯とは「墨を水ですりおろす道具」
2.【種類別】硯の買取相場
日本産の硯「和硯(わけん)」
中国産の硯「唐硯(とうけん)」
澄泥硯
端渓硯
作家によって分類される「作家硯」
大量生産される「お稽古用硯」
3.高価買取が期待できる硯の特徴3つ
1.硯の古さ
2.硯の素材
3.硯を製作した作家
4.硯を高く売るための3つのコツ
1.付属品を付けてから売る
2.保存状態を良くしておく
3.入手経路を明確にする
5.硯の買取方法3つ
1.店頭買取
2.出張買取
3.宅配買取
6.硯を売るなら永寿堂へ!
7.まとめ
硯とは「墨を水ですりおろす道具」
硯とは、墨を水ですりおろすための道具のことで、石や瓦などで作られたものが多く、書道において欠かせない文房具の一つです。現在では石を平らに研磨した硯が使われており、すりおろしやすくするため表面に目を加工したものが使われています。
世界で最古とされる硯は、中国で発見された「風字形石硯」です。これは紀元前5000~6000年頃に作られたとみられ、中国では紙や筆、墨と一緒に「文房四宝」と呼ばれています。非常に価値があるものとされていました。
【種類別】硯の買取相場
硯は、種類によって買取相場が変わってきます。ここからは、以下に示す硯の種類の相場を紹介しましょう。
- 日本産の硯「和硯(わけん)」
- 中国産の硯「唐硯(とうけん)」
- 作家によって分類される「作家硯」
- 大量生産される「お稽古用硯」
硯の特徴と一緒にそれぞれどのくらいで売却できるのかを解説します。自分の持っている硯の価値を知りたい方は、以下を参考にしてみてください。
日本産の硯「和硯(わけん)」
日本で作られた硯のことを「和硯(わけん)」と呼びます。和硯に使われている素材は、以下の5つです。
- 赤間石
- 雄勝石
- 那智黒石
- 玄晶石
- 雨畑石
赤間石と雄勝石で作られた硯は、国の伝統工芸品に指定されています。和硯は今でも作られていますが、数が減ってきているのが実状です。そのため、希少性が高い硯であるといえます。
和硯の買取相場は、以下のとおりです。
- 赤間硯:5,000〜6万円
- 雨畑硯:1,000〜1万円
硯は壊れにくくて長く使える道具であるため、状態が良ければ高価買取が期待できます。雄勝石や那智黒石の硯でも、まずは査定に出してみましょう。
中国産の硯「唐硯(とうけん)」
中国で作られた硯のことを「唐硯(とうけん)」と呼びます。多くの種類が存在する唐硯の中で、「中国四宝硯」と呼ばれるものが以下の4つです。
- 澄泥硯(ちょうでいけん)
- 端渓硯(たんけいけん)
- 歙州硯(きゅうじゅうけん)
- 洮河緑石硯(とうかりょくせきけん)
以下では、4つの硯の中で相場が公開されている澄泥硯と端渓硯について解説します。種類が違うだけでも、査定額に大きな差が出ることがあるのです。自分の持っている唐硯の種類を見極めてみてください。
澄泥硯(ちょうでいけん)
唐硯で有名なものの1つ目は、澄泥硯です。澄泥硯は、製造方法として石から作られた説と、泥を形成して焼いた説の2つがある珍しい硯で、ランクによって買取相場が変動します。
ヒビなどが入っている澄泥硯の相場は、だいたい2万2,000〜4万6,000円程度です。ベージュ色の「鱔魚黄澄泥(ぜんぎょおうちょうでい)」は価値が高いとされており、高価買取が期待できるでしょう。硯の状態や種類、装飾によっても買取価格に差が出るため、まずは査定をしてもらうのがおすすめです。
端渓硯(たんけいけん)
端渓硯(たんけいけん)も唐硯の中では有名なものです。端渓硯は、端渓石を素材として作られており、墨をすりおろすのに適した硬さをもち、発墨に優れています。端渓石は、機能性に優れた石として有名です。
端渓硯は、端渓石の種類によって買取価格が変動する特徴があります。高いとされているのは、地下180mで採取された老坑と呼ばれる種類です。現在では採取が禁止されており、希少性が高まっているため相場も上がっています。
端渓硯の相場は、1万5,000〜5万円程度です。高いものでは50万円にまでのぼるものもあります。
作家によって分類される「作家硯」
唐硯や和硯以外にも、作家によって分類される「作家硯」があります。作家硯は骨董品としての価値があり、有名な作家が手掛けた作品は高価買取が期待できるでしょう。作家が作った硯の中には、陶器や磁器で作られたものも多く存在し、高値で取引されています。
作家硯の相場は、以下のとおりです。
- 鯉池硯 雨宮静軒作:1万5,000〜2万円
- 信楽焼硯 細川護熙作:2万1,000〜3万5,000円
作家によって相場に差が出るため、気になる方は1度専門家に査定してもらうといいでしょう。
大量生産される「お稽古用硯」
お稽古用硯は、大量生産されている硯のことです。書道の稽古の目的で作られており、樹脂製の硯も存在します。稽古用に作られたものは価値が見いだせないため、ほとんどの業者では買取不可または無料引き取りとなるでしょう。
ただし一見大量生産に見える硯でも、貴重な素材が使われていたり、古くに作られていたりするケースもあります。そのため購入先が不明で価値がありそうな硯を見つけたならば、まずは専門業者に査定してもらいましょう。
高価買取が期待できる硯の特徴3つ
硯はどんなものでも高く売れるわけではありません。高価買取が期待できる硯の特徴は、以下の3つです。
- 硯の古さ
- 硯の素材
- 硯を製作した作家
高価買取が期待できる硯の特徴を知っていることで、持っている硯が高く売れるのかどうかを自分で見極められるでしょう。それぞれ詳しい特徴を解説するので、気になる方は以下を参考にしてください。
1.硯の古さ
硯の価値を決める場合、古さが大きく関わってきます。古いものほど希少価値が増し、高価買取に繋がりやすくなるのです。素人が古さを判断するのは難しいですが、硯のスレや雰囲気から判断してみましょう。
「古そうだから」という理由でも査定してもらうのに値します。買取できるか否かは別にして、相談を受け付けている業者もいるため、ためらわずに相談してみましょう。なんとなく査定に出した硯が、高値で売れることもあります。
2.硯の素材
価値が高い硯は、素材に高級なものが使われているパターンが多いです。特別な石が使われていたり、模様が彫ってあったりする硯は価値が高いといわれています。
特に翡翠や珊瑚、象牙などで作られたものは、高く売れる可能性が高まるでしょう。高級素材は加工が難しく、技術に長けた職人でなければ制作できません。そのため、作品の質としての面で高い評価を得られやすい特徴があるのです。
3.硯を製作した作家
硯の価値が高くなる理由には、作家が有名人であることが挙げられます。有名な作家が作ったものかどうかを判断するときには、共箱を確認しましょう。共箱には作者の落款(サイン)が書かれています。
落款は作者が実際に作ったときに入れたサインなので、本物である証です。ただし、本物を模倣して入れられたものもあります。素人には、その落款が本物であるかどうかを見極めるのは難しいでしょう。
落款が入っているのを確認したならば、専門家に鑑定してもらうのがおすすめです。ちなみに、古すぎる時代の硯には落款自体が入っていません。そういった年代のものは、落款の有無に関係なく高価買取が期待できます。
硯を高く売るための3つのコツ
ここからは、硯を高く売るために以下3つのコツを紹介します。
- 付属品を付けてから売る
- 保存状態を良くしておく
- 入手経路を明確にする
硯を売ることを決めた方の中には、できるだけ高く売りたいと考える方もいるかもしれません。以下でそれぞれのコツを詳しく解説していきます。コツをおさえて、できるだけ高く売れるように準備しておきましょう。
1.付属品を付けてから売る
硯を売る場合には、付属品を付けて売るようにしましょう。付属品をセットで売ることで保存状態が良いと判断されたり、骨董品としての価値を判断されたりします。すると、査定額がアップするのです。
付けるべき付属品には、以下のものが挙げられます。
- 共箱
- 書類
購入時からいずれ売るかもしれないことを想定して、付属品をまとめて保管しておきましょう。いつでも一緒に売れるように、保管場所を忘れないようにしてください。
2.保存状態を良くしておく
硯の保存状態は、査定額を決める上で大きく影響します。どんなに良い素材で作られたものでも、キズや摩耗があるとマイナス評価となり、査定額が大幅に下がってしまうでしょう。そのため、査定前には自分でできるメンテナンスをしておいてください。
自分でできるメンテナンスとは、汚れやホコリを取っておくことです。良い状態で評価してもらえるよう、掃除などできることをやっておきましょう。ただし古い硯の場合、多少のキズは経年劣化と判断されて査定額に響きません。
3.入手経路を明確にする
硯を売却するときには、入手経路を明確にしておきましょう。高く売れる硯は、しかるべきルートで入手したケースが多いです。しかるべきルートとは、例として以下の3つが挙げられます。
- 骨董品収集家のコレクション
- オークションや骨董市で高い値段での購入
- 裕福な人からのプレゼント
これらに当てはまっていれば高額買取が期待できるため、事前に調べておくのがおすすめです。特に有名な収集家が持っていた硯は、価値が上がる可能性があります。有名な収集家が持っていたことが分かる証明書があれば、一緒に売りましょう。
硯の買取方法3つ
硯を買取業者に売る場合、以下に示す3つの方法から選べます。
- 店頭買取
- 出張買取
- 宅配買取
それぞれ特徴があり、人によって向き不向きがあるでしょう。適当に買取方法を選んでしまうと、売却に時間がかかったり、手間がかかってしまったりすることもあります。以下でそれぞれの買取方法の特徴を解説するので、自分に合った方法を探してみてください。
1.店頭買取
店頭買取とは、硯をお店に持っていって売却する方法です。目の前で査定してもらえるため、不明点を解消しながら売却できます。
さらに即金性が高いことも特徴の1つです。持っていくとその場で査定されて現金が受け取れるため、売却に時間をかけられない方におすすめといえます。営業時間内であれば、自分のタイミングで持ち込みできる点もメリットです。
ただし、自分で硯を持ち運ぶ必要があるため、破損してしまったりキズを付けてしまったりするリスクがあります。壊れやすい硯を店頭で買取してもらう場合は、壊れないような梱包を施した上で持っていきましょう。
2.出張買取
出張買取とは査定員が自宅に訪れ、玄関先や室内で査定して買い取ってくれる方法です。申し込んで自宅で待っていれば完結する方法であるため、比較的気軽に利用しやすいでしょう。店頭までの運搬は、全て業者が代行してくれます。
硯以外にも、1人では運べない大きな絵画やオブジェなどを一緒に売る方におすすめの方法です。売却する予定のものにキズが付くリスクもおさえられるため、手間なく売りたい方に向いています。
ただし他人を家に入れたくない方には向いていません。また出張買取はエリアが決められていることもあるため、事前にサイトで確認する必要があります。
3.宅配買取
宅配買取とは、買取業者に硯を郵送して査定してもらい、売却する方法です。自分のペースで梱包して売却できるため、時間を作れない方におすすめの方法といえるでしょう。宅配買取は全国対応であるため、自分が気に入った業者に売却できます。
現在では、郵送して3日程度で査定してくれる業者もあるため、現金を受け取るまでに時間がかかることも少ないでしょう。ただし、運搬中に壊れないように丁寧に梱包する手間がかかるため注意してください。
業者の中には、返品時の送料を求める業者もいます。事前にサイトで条件などをチェックしてください。
硯を売るなら永寿堂へ!
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まとめ
硯とは、墨を水ですりおろすための道具です。中国では紙や筆、墨と一緒に「文房四宝」と呼ばれています。硯は、種類によって買取相場が異なることが特徴です。
高く売れる硯には、古いものや高級な素材で作られているものが多くあります。自分が持っている硯が高いものかどうかが気になるならば、それらの特徴の有無を確かめてみましょう。もしも硯を売却するときには、付属品と一緒に保存状態を良くしておくことが大切です。
自分に合った買取方法を選択し、負担なく売却できるようにしましょう。硯を売却する場所に迷っている方は、ぜひ永寿堂へお持ちください。
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