ペルシャ絨毯は、素材や産地などで買取相場が異なるのが特徴です。なかには、数十万円で取引される絨毯もあります。今回は、ペルシャ絨毯の買取相場を解説。人気が高い絨毯の3つの特徴も紹介します。高く売るためのコツもぜひ参考にしてください。
【目次】
産地ごとの買取相場
素材ごとの買取相場
ペルシャ絨毯の歴史と5つの産地
高く売れるペルシャ絨毯3つの特徴
ペルシャ絨毯を高く売る3つのコツ
ペルシャ絨毯の買取は「永寿堂」へ
ペルシャ絨毯の買取相場まとめ
種類別ペルシャ絨毯の買取相場
ペルシャ絨毯の買取相場は、産地や素材によって異なります。ここでは、産地ごと、素材ごとの買取相場を確認していきましょう。
また、絨毯の価格は状態やサイズ、ノット数などによって変化します。そのため、相場はあくまでも目安であると捉えてください。手元にある絨毯のはっきりした価格が知りたいときは、専門業者への査定依頼がおすすめです。
産地ごとの買取相場
5大産地で作られるペルシャ絨毯は需要が高く、市場でも高値で取引されています。産地別の買取相場は以下の通りです。
産地 |
買取相場 |
イスファハン |
15万~30万円 |
タブリーズ |
20万~35万円 |
コム(クム) |
15万~20万円 |
ナイン |
30万~45万円 |
カシャーン |
10万~15万円 |
一覧にすると、ナイン産のペルシャ絨毯が高く評価されていることがわかります。次いで人気なのがタブリーズ産の絨毯です。いずれもデザインの豊富さや素材の良さが価格に反映されているといえるでしょう。
また、5大産地以外の地域は、まとめて「ローカル」と呼ばれています。ローカルのひとつ、ビジャーは複数の横糸を織り込む独自の技法が有名です。ビジャー産の絨毯の評価は高く、市場では8万~12万円で取引されています。
※買取相場は状態やサイズやノット数やデザインなどで変わりますので記載の相場はあくまで参考価格となります。
素材ごとの買取相場
ペルシャ絨毯には、ウールやシルクといった素材が用いられます。産地にこだわらない場合、ウール素材の絨毯の買取相場は3万〜7万円です。ただし、イスファハン産やタブリーズ産のように、上質で柔らかなウールを用いた絨毯は買取相場がアップします。
シルクのペルシャ絨毯の買取相場は、5万~15万円です。ウールと比較すると、シルクのほうが高値が付くことがわかります。
ほとんどがウール製のタブリーズ産の絨毯も、一部にシルクを用いたものは高い値が付くのが特徴です。縦糸にシルクを用いた大型の絨毯は、30万円前後で取引されることもあります。
ペルシャ絨毯の歴史と5つの産地
色鮮やかで重厚感のあるペルシャ絨毯は、床に敷くほかタペストリーとして使用されています。デザインやカラー、サイズなど豊富なバリエーションが魅力です。
高価買取されることも多いペルシャ絨毯は、3,000〜4,000年前には誕生していたといわれています。有名な産地は、イスファハンやクムをはじめとする5つの地域です。
まずは、ペルシャ絨毯の歴史について紹介していきます。高価買取対象となる、5大産地の特徴も確認していきましょう。
防寒と祈祷のために生まれたペルシャ絨毯
ペルシャ絨毯は、3,000〜4,000年以上前に現在のイランにあたるペルシャで誕生しました。ペルシャ絨毯を織る目的は、遊牧民が寒さから身を守り、祈祷をおこなうためだったといわれています。
材料として使われたのは、羊毛や綿などです。ペルシャ絨毯を代表する色鮮やかな柄の数々も、すべて手仕事から生まれました。
やがて、シルクロードを経由し、日本にもペルシャ絨毯が持ち込まれます。現在の京都の高円寺に残されているのは、豊臣秀吉が身に付けていたペルシャ絨毯です。13世紀にはモンゴル帝国によるペルシア侵攻でペルシャ絨毯は一時的な衰えを見せますが、王朝のもとで再び発展を遂げました。
美術工芸品としての価値を持つペルシャ絨毯は、現在も多くの人々に愛されています。特に、高値が付きやすいのが歴史の古い絨毯です。制作から100年以上経過しているものはアンティーク品として扱われ、希少性の高さがさらなる人気を集めています。
ペルシャ絨毯の主要産地5つ
ペルシャ絨毯の主要産地は、以下の5つです。
- イスファハン
- タブリーズ
- コム(クム)
- ナイン
- カシャーン
これらの地域は、ペルシャ絨毯の5大産地といわれています。5大産地以外のローカルエリアとして挙げられるのが、ケルマンやザンジャーン、マラーゲなどの地域です。
5大産地で生まれる絨毯は高品質なものが多く、中古市場でも高い需要を持ちます。そのため、買取に出す際も高値が見込まれるのが特徴です。伝統的な製法で織られるものが多く、高品質な絨毯が多いことが主要産地の絨毯が支持される理由といえるでしょう。
1.イスファハン
イランの首都であるイスファハンは、ペルシャ絨毯の代表的な産地です。イスファハンでは、伝統的な製法で高品質な絨毯が生産されています。
イスファン産のペルシャ絨毯は最高級品といわれ、数十万円で取引されることも珍しくありません。素材には、子羊から初めて刈られる「コクウール」と呼ばれる羊毛が使用されています。
なかでも、制作から50~100年経過しているようなイスファハン産の絨毯は、価値の高い品物です。古い絨毯だからと諦めることなく、ぜひ業者に買取を依頼してみてください。
2.タブリーズ
タブリーズは、イラン西北部にあるペルシャ絨毯の産地です。タブリーズでは、この地域にしかない道具を用いた綿密な絨毯が生み出されています。
なかでも希少性が高いのが、現在は織られていない「マララン」と呼ばれる絨毯です。買取時にはアンティーク品として高額買取が期待できます。
注目したいのは、一部のタブリーズ産の絨毯にはシルクが用いられることです。シルクで輪郭を強調するほか、全面にシルクを用いた絨毯もあり、およそ数十万円の買取額が見込まれます。
3.コム(クム)
コム(クム)産のペルシャ絨毯は、日本でも人気の高いものです。5大産地のなかでは歴史が浅く、古い絨毯はあまり存在しません。また、ウール製とシルク製の2タイプがあります。
ウール製は、過去に主流だったタイプです。現在はシルク製の絨毯が生産されています。材料となるのは、シルクの産地であるクムの「クムシルク」です。買取時は、ウール製なのかシルク製なのかによって査定額が異なります。
4.ナイン
首都イスファハンに近いナインは、かつては毛織物の産地でした。ナインでのペルシャ絨毯の生産は、ヨーロッパ製品がイランに進出し始めたことをきっかけにスタートします。ナイン産の絨毯は、高品質でありながら手ごろな価格帯が人気です。
ナイン産のペルシャ絨毯は、中央にアラベスク模様を置き、花のモチーフをあしらったベーシックな柄が多く見られます。文様は、メダリオンや葉が広がった形状のパルメット、植物、動物などに限られているのが特徴です。
5.カシャーン
カシャーンは、かつて王朝御用達として栄えていたペルシャ絨毯の産地です。気温が高いことから育つ穀物が限られてしまい農産業には適さなかったことが、手工芸産業の発展へとつながりました。
カシャーンのペルシャ絨毯は5大産地のなかでもっとも歴史が古く、一定のカラーで統一されていることが特徴です。赤地にバルメットを配したメダリオンコーナータイプの絨毯が多く見られます。インテリアとしての人気が高く、日本でも広く親しまれている絨毯です。
高く売れるペルシャ絨毯3つの特徴
高く売れるペルシャ絨毯には、以下のような3つの特徴があります。
- サイズが大きい円形や楕円形の絨毯
- 銘が入ったアンティーク絨毯
- ノット数が多いメダリオン柄の絨毯
前述したように、ペルシャ絨毯はデザインやサイズのバリエーションが豊富です。また、買取価格には生産された年数などが影響します。
保存状態が良ければ、古いものほど高く売れることも珍しくありません。手元に買取に出したいペルシャ絨毯があるときは、ぜひこれらの特徴をチェックしてみてください。
サイズが大きい円形や楕円形の絨毯
ペルシャ絨毯は、サイズが大きなものほど高く評価されます。一般的に、大きくなるほど手間や材料などの制作コストがかかるからです。そのため、前述した5大産地で作られた大きな絨毯であるほど高い価格が期待できるでしょう。
また、ペルシャ絨毯の形は長方形が基本です。円形や楕円形は生産数が少ないため、希少性の高さから高値で取引されています。
銘が入ったアンティーク絨毯
産地や制作者の銘が入ったペルシャ絨毯は、高値で取引されます。生産から100年以上たつアンティーク絨毯であれば、王朝の銘が記されていることもあるでしょう。
気を付けたいのは、銘が入った絨毯には偽物が出回るケースもあることです。これからペルシャ絨毯を購入したり、手元の絨毯が本物か気になったりするときは、購入ルートを確認してみてください。ペルシャ絨毯の専門店や、アンティークの専門店などで購入したことがはっきりすれば、絨毯が本物である証明になります。
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ノット数が多いメダリオン柄の絨毯
ノット数とは、織物の糸のきめ細かさを表す値です。一般的に、ノット数が高いほどきめ細やかで、高い技術が用いられていると判断されます。
メダリオン柄は、高級なペルシャ絨毯に施されるデザインのひとつです。中心部には、万華鏡を除いてるかのような大きな文様が描かれています。また、絨毯の四隅に同様の文様を施したメダリオン・コーナーデザインも人気です。日本国内でも多くのメダリオン柄のペルシャ絨毯が流通しています。
ペルシャ絨毯を高く売る3つのコツ
ペルシャ絨毯をなるべく高く売るには、以下の3つのコツをおさえておきましょう。
- ペルシャ絨毯にくわしい業者を選ぶ
- いくつかの業者の査定額を比較する
- 日頃から絨毯の手入れをしておく
前述したように、ペルシャ絨毯は産地や織り方によって価格が異なります。ペルシャ絨毯にくわしい業者であれば、確かな価値が見極められ安心です。
また、いくつかの業者の査定額を比較すれば、納得いく価格でペルシャ絨毯を手放せます。査定額アップのためにも、絨毯は日頃から手入れしておきましょう。
ペルシャ絨毯にくわしい業者を選ぶ
手元にある絨毯をなるべく高く売るには、ペルシャ絨毯にくわしい業者を選ぶのがおすすめです。産地や素材などに応じた、適正価格での取引が期待できます。絨毯に入れられた銘を理解できることも大切なポイントです。
ペルシャ絨毯の知識を持つ業者かどうかは、公式サイトなどで確認できます。買取実績のある業者であればより安心です。可能であれば、口コミなどもチェックしてみましょう。
また、ペルシャ絨毯はサイズによって重たくなります。持ち運びが困難な場合は、出張買取可能な業者を検討してください。絨毯を移動させる手間が省け、より手軽に買取サービスを利用できます。
いくつかの業者の査定額を比較する
絨毯を売りに出す際は、いくつかの業者の査定額を比較しましょう。そのうえで納得いく価格の業者を選ぶのがおすすめです。
査定を依頼する際は、手数料の有無なども確認してください。「相談無料」「査定無料」の業者であればより気軽に利用できます。
宅配買取サービスを利用する場合は、送料の有無も大切なポイントです。ペルシャ絨毯は梱包サイズが大きくなるため、場合によっては送料が高くつくケースも考えられます。
サービス内容と査定額を照らし合わせて検討すれば、より高い額でペルシャ絨毯を売りに出すことができるでしょう。
日頃から絨毯の手入れをしておく
ペルシャ絨毯の買取価格には、保存状態が影響します。より高く絨毯を売るためにも、日頃から丁寧に手入れしておきましょう。年数が古いアンティーク絨毯も、状態が良ければ高値で取引されます。
特に気を付けたいのが、直射日光による色あせです。ペルシャ絨毯はなるべく日の当たらない部屋で利用しましょう。明るい部屋で利用する場合は、カーテンなどを利用するのもおすすめです。薄いレースのカーテンがあるだけでも、色あせ防止の効果が期待できます。
また、定期的にほこりやゴミを取り除くことも大切です。その際は、掃除機を強いパワーでかけすぎないように気を付けてください。絨毯の表面を傷つけてしまう可能性があります。
万が一飲み物などをこぼした場合は、すぐに乾いた布で叩くようにして水分を取り除きましょう。表面全体が黒ずんできたときは、硬く絞った布で拭くのも効果的です。
自宅での手入れが難しいときは、専門店のクリーニングを利用するのもおすすめです。ローカル産地の絨毯も、よりきれいな状態で買取に出せば高価買取が期待できるでしょう。
ペルシャ絨毯の買取は「永寿堂」へ
ペルシャ絨毯を売るなら永寿堂へお持ちください。永寿堂では、ペルシャ絨毯を1枚1枚丁寧に査定します。多種多様な骨董品の買取実績があり、豊富な知識を有しているため適正価格での買取が可能です。骨董品の販売ルートを多数用意し使い分け、高価買取価格を提示します。
売却方法も店舗買取や出張買取、宅配買取など、お客さまの都合にあった方法が選択できます。気になった方は、以下の問い合わせからお気軽にご相談ください。
【永寿堂のお問い合わせ】
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
ペルシャ絨毯の買取相場まとめ
ペルシャ絨毯の買取価格には、産地や素材、サイズなどが影響します。生産から100年以上経つ絨毯はアンティークとしての価値を持ち、高値で取引されるのが特徴です。また、保存状態が良ければ、ローカル産地のものでも高額査定を期待できます。
ペルシャ絨毯をより高く売るには、業者選びも大切なポイントです。買取はペルシャ絨毯の専門知識を持つ業者に依頼してください。絨毯の価値に応じた適正価格での買取が可能になります。結果的に、大切なペルシャ絨毯を納得いく価格で売りに出すことができるでしょう。
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