神職の装束の着方を解説!種類や着用シーン、買取業者の選び方も紹介
装束(しょうぞく)とは、神職が身に付ける衣服のことです。種類は幅広く、着用するシーンによって異なります。今回は、神職の装束の種類や着方について紹介します。買取業者の選び方も紹介しているので、神職の装束の処分を検討している場合はぜひ参考にしてください。
【目次】
神職が着用する「装束」
男性神職の装束4つの種類と着用シーン
男性と異なる女性神職の装束
浄衣や狩衣、水干の着方
神職の装束、買取業者3つの選び方
浄衣や狩衣や水干など装束の買取は「永寿堂」へ
まとめ
神職が着用する「装束」
神職とは、神社で祈祷やお祓いなどをおこなう人物のことです。一般的には、神主(かんぬし)とも呼ばれています。
装束(しょうぞく)とは、本来、朝廷や貴族が平安時代に使用していた衣類や調度品などを指す言葉です。明治時代に入り洋装が主流となるなか、神職には装束を身にまとう風習が残りました。
装束の種類は幅広く、神事の内容によって着用するものが異なります。また、袴の色で神職の位がわかることも特徴です。まずは、神職が普段着として着用する装束と、位ごとの色の違いについて紹介します。
普段着は白衣と袴
神職には、祈祷やお祓い以外にも境内の清掃や修繕などの仕事があります。神職は、これらの仕事の際は普段着である白衣と袴を着用します。お札やお守りなどの販売時にも着用するため、多くの人が目にする神職の装束といえるでしょう。
また、普段着の際は、神職は雪駄(せった)と呼ばれる草履のようなものを履くのが一般的です。
袴の色で位がわかる
神職の装束の袴は、位によって以下のように色が定められています。
位 | 袴の色 |
三級、四級 | 浅黄色 |
二級 | 紫色 |
二級上 | 紫色(文様入り) |
一級 | 紫色(白い文様入り) |
特級 | 白色(白い文様入り) |
浅黄色の袴を着用する三級、四級は、神職としてまず初めにつく位です。二級になると、薄いブルーの浅黄色に比べ、貫禄や落ち着きが感じられる紫色へと袴の色は変わります。
二級上になると、紫の袴に薄紫の文様が入ります。文様は「蜂藤丸」と呼ばれるものです。一級になると、よりはっきりとした白色の文様に変わります。
特級の位にあたるのは、ごく一部の神職です。白い袴には、同じく白い文様が入っています。文様は一級に比べ一回り大きく、光の当たり具合によって浮かび上がるのが特徴です。
男性神職の装束4つの種類と着用シーン
神職の装束は、男性と女性で種類が異なり、以下のようにシーンによって使い分けられています。
1. 「浄衣」「狩衣」は小祭に用いる
2. 「斎服」は中祭に用いる
3. 「格衣」は大祭に用いる
4. 「明衣」は特殊な神事で用いる
ここでは、それぞれの装束の特徴について解説します。小祭(しょうさい)に中祭(ちゅうさい)、大祭(たいさい)と神事の内容もあわせて確認していきましょう。
1.「浄衣」「狩衣」は小祭に用いる
中祭や大祭以外のすべてのお祭りは、小祭にあたります。小祭で男性神職が着用するのは「浄衣(じょうえ)」や「狩衣(かりぎぬ)」と呼ばれる装束です。
狩衣は、平安時代の下級貴族の普段着として着用されていた装束です。狩衣を神事専用に白い絹で作られたものは、浄衣と呼ばれます。足元は、木に漆を塗った浅沓(あさぐつ)を着用するのが一般的です。
2.「斎服」は中祭に用いる
中祭とは、主に皇室関連のお祭りのことです。中祭りでは、神職は位を問わず「斎服(さいふく)」を着用します。
清浄を求める斎服は白い絹で仕立てられ、文様は入っていません。また、斎服を着用する際は、長く伸びる纓(えい)が付いた冠をかぶるのが特徴です。伊勢神宮や靖國神社などでは、大祭でも斎服を着用することがあります。
3.「衣冠単」は大祭に用いる
例祭や祈年祭など、神社に特別に由緒のある祭りは大祭と呼ばれます。神職が大祭で着用するのは、正装である「衣冠単(いかんひとえ)」という装束です。
衣冠単は位によって、以下のように上着である袍(ほう)の色が異なります。足元には浅沓を履き、頭には冠をかぶり手に笏(しゃく)を持ちます。
位 | 袍の色 |
三級、四級 | 縹色(はなだいろ) |
二級、二級上 | 文様入りの赤色 |
一級、特級 | 文様入りの黒色 |
4.「明衣」は特殊な神事で用いる
「明衣(みょうえ)」は、特殊な神事で着用する装束です。足が開きやすく、馬に乗る神事などで用いられることもあります。
袍はの色は白く、裾が短いのが一般的です。なかには天皇が着用するタイプもあります。明衣を着用する際も、衣冠単と同様に頭には冠をかぶります。着用時は、前側に「込み」と呼ばれる懐部分を作るのが大きな特徴です。
男性と異なる女性神職の装束
女性の神職の衣装は、男性と若干異なります。種類が普段着と祭用にわかれていたり、位によって色が異なったりするのは男性神職と同様です。
ここでは、祭りの際に着用する女性神職の装束の特徴をみていきましょう。神職は男性が多い世界ですが、近年は女性の数も徐々に増加しつつあります。神社などで女性神職を見かけたら、ぜひ装束にも注目してみてください。
小祭の装束は「水干」
女性神職は、小祭の際に「水干(すいかん)」と呼ばれる装束を着用します。水干は、女性神職の常装にあたる装束です。男性と異なり、表衣(うわぎ)の色には指定がありません。そのため、全体的に華やかな印象を与えます。
また、男性神職が笏を手に持つのに対し、女性神職は「ぼんぼり扇」を持ちます。頭には、黒く薄い絹でできた額当(ぬかあて)を着けるのが一般的です。
大祭の装束は「袿袴」
大祭に着用するの装束は「袿袴(けいこ)」と呼ばれるものです。正装にあたる袿袴は、位に応じて表衣と唐衣が異なります。
また、中祭では男性神職と同様に純白の装束を着用します。これは、男性の装束と同じく白絹で仕立てられたものです。小祭ではぼんぼり扇を持つのに対し、中祭では檜扇(ひおうぎ)を手に持ちます。
浄衣や狩衣、水干の着方
ここからは、神職の装束の着方を確認していきます。浄衣と狩衣は、着用方法が同じです。そのため、どちらかの着方をマスターすれば装束の着用の幅が広がります。
また、水干は「上げ頸(あげくび)」と「垂り頸(たりくび)」2種類の着用方法があるのが特徴です。いずれも着崩れなく美しく着用するには、何度か練習を重ねる必要があります。
浄衣や狩衣の着方
浄衣や狩衣を着用する前に小袖(こそで)を着用し、足袋をはきます。可能であれば烏帽子もかぶっておきましょう。その後、差袴(さしこ)をはき、浄衣や狩衣に袖を通します。
前部分をたくり上げたら、当帯(あておび)を後ろから回し、諸鉤(もろかぎ)で結んでください。ひとりで着用する場合は、たくり上げる前に当帯を結び、その後たくり上げを作ってから袖を通す方法もおすすめです。
水干の着方
前述のとおり、水干には2種類の着用方法があります。そのひとつである上げ頸は、浄衣や狩衣と同様の着方です。ただし、水干は浄衣や狩衣のように首上を止める「とんぼ」は使わずに、前後から伸びた紐を諸鉤に結びます。
垂り頸と呼ばれる方法では、後ろ紐を上に出さずに内部で交差させ、前に出して結びます。これは、垂り頸のなかでも正式とされている結び方です。古来から伝わるものには、後ろで交差させず、たすき掛けにして結ぶ方法もあります。
神職の装束、買取業者3つの選び方
神職の装束を買取に出す際は、次のポイントを参考に業者を選んでみてください。
1. 着物を取り扱う業者を選ぶ
2. 装束や法衣の専門業者を選ぶ
3. 出張買取や宅配買取対応の業者を選ぶ
これらを選択基準にすれば、納得いく価格で装束を買取に出すことができます。装束や法衣の専門業者であることはもちろん、買取方法を選択できることも大切なポイントです。
1.着物を取り扱う業者を選ぶ
神職の装束を買取に出す際は、着物を取り扱う業者を選びましょう。ニーズの限られる装束は、業者によって買取できないケースもあるからです。
着物を取り扱う業者は、装束だけでなく、帯などをまとめて処分したいときにもおすすめです。和装小物を買取対象としているケースも多いため、草履や下駄などの処分も相談できます。
2.装束や法衣の専門業者を選ぶ
装束や法衣の専門業者であれば、買取に出す品の確かな価値が見極められます。なかでも、装束の買取実績がある業者はおすすめです。買取実績や口コミなどは、業者の公式サイトを確認してみてください。
専門業者のなかには、装束だけでなく宗教関連の本や仏具などを買い取るケースも見受けられます。そのため、神職関連の品をまとめて買取に出したいときにおすすめです。
3.出張買取や宅配買取対応の業者を選ぶ
装束はかさばるため、持ち運びに手間がかかります。そのため、買取先は出張や宅配対応可能な業者が便利です。処分したい装束が複数ある場合も、気軽に買取を相談できます。
宅配買取を利用する際は、事前に対応内容を確認しておくのがおすすめです。査定額に納得いかなかった場合、装束をきちんと返送してくれる業者であればより信頼できます。
浄衣や狩衣や水干など装束の買取は「永寿堂」へ
神職の浄衣や狩衣や水干など装束の買取は永寿堂へお任せください。永寿堂では、法衣や袈裟、仏具を専門に扱っており、高価買取が可能です。不要になった装束もまとめて買取しています。買取実績も豊富なため、ぜひ一度ご相談ください。
買取方法は、宅配買取と出張買取の2つから選択できます。気になる方はお問い合わせからご連絡ください。
【永寿堂のお問い合わせ】
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
神職の装束にはさまざまな種類があり、シーンによって使い分けられます。袴の色や文様に位が現れているのも特徴です。神事の内容によっては、冠や笏なども必要になります。
神職の装束を処分したいときには、業者への買取依頼を検討してみてください。装束の専門知識を持つ業者であれば、適正価格で買取できます。なかでも、出張買取や宅配買取が可能な業者はおすすめです。処分したい装束が複数点ある場合も、気軽に買取について相談できるでしょう。
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