元気なうちに「生前整理」をしておくと、自分が亡くなったあとに、遺族にかかる負担を軽くすることができます。定年退職をしたタイミングや子供が自立した時期になり、自分の財産や所有物を整理しようと考える方も多いでしょう。
本記事では、生前整理の必要性や適した時期、やり方、ポイントなどを解説します。業者に依頼す流場合の相場価格なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【目次】
生前整理とは
生前整理が重要な理由
生前整理をはじめるべき時期
生前整理のやり方
生前整理を行う際の4つのポイント
生前整理を業者に依頼する場合の費用相場
生前整理を始めるならなら永寿堂にご相談下さい
まとめ
生前整理とは
生前整理とは、言葉どおり「生きているうちに、自分の財産や所有物を整理しておくこと」であり、終活の一つです。この先不要なものや、他者にとって処分がしにくいものなどを優先的に処分しておくことで、残された遺族の負担を軽減できます。すぐに処分できないものは、どう処分するのか事前に依頼先を探しておくと便利です。
また今より高齢になったときに、老人ホームや介護施設などに入居する可能性もあるでしょう。入居の際は、自分の持ち物をすべて持っていくことはできません。その時に自分が元気に「断捨離」できるとは限らないでしょう。
生前整理は、元気で動けるうちにしておくことが重要です。家や土地、車などの財産を処分しておけば、自分が亡くなったあとの遺産相続も、親戚間で揉める心配が少なくなります。
生前整理とは、ある意味でこれまでの暮らしを大きく変えることです。これまでの人生を振り返るとともに、老後の生活を考える大切な機会といえます。
生前整理が重要な理由
ではなぜ、生前整理が必要なのでしょうか。自分がいつ病気になるか、または亡くなるのかということはわからないため、なかには「とくに何もしなくてもいいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
本章では生前整理の重要性について、3つのポイントを解説します。
- 残される家族の負担を減らせる
- 相続トラブルを防げる
- 自身の財産を納得する形で引き継げる
それぞれの観点から、なぜ生前整理が重要なのか説明していきます。
残される家族の負担を減らせる
生前整理が重要であることの理由には、「残される家族の負担を減らせること」が挙げられます。生前整理は、自分のためというよりも、残される家族や友人のためにおこなうものです。自分が亡くなったあとは、家族が友人たちが「遺品整理」をすることとなります。その際、不要なものを事前に処分しておけば、遺族たちの負担が軽減できるでしょう。
家や土地のように、相続が発生する財産もあります。残された家族の間で誰が相続するのか、どう処分するのかは、トラブルの原因にもなるでしょう。このような事態を避けるためにも、生前整理が重要です。
生前整理は、遺される家族への「思いやり」ともいえるでしょう。
相続トラブルを防げる
故人の遺産相続に関しては、たびたびトラブルが生じます。とくに会社経営をしていた場合や、不動産を所有していた場合などは、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。
遺産相続のトラブルを防ぐうえでも、生前整理をして、あらかじめ財産の内容や関連書類を整理しておくことが大切です。会社や不動産は誰に相続するのか、事前に決めておくべきでしょう。
生前整理の際は、「不要な財産を処分して現金化する」「思い出深いものはリストアップしておく」などが必要です。事前に目録が作成されていることで、残された家族はスムーズに手続きを進められます。
不要な相続トラブルを避けるうえでも、ある程度の年齢になったら生前整理をするのがおすすめです。
自身の財産を納得する形で引き継げる
元気なうちに生前整理をしておけば、本人にも大きなメリットがあります。理由は、自分の財産を納得する形で引き継いでもらえるためです。自分の財産を誰に管理してもらうのかを自分自身で選択できるのは、生前整理だけです。とくに相続人の候補が複数いる場合は、この生前整理が必要になります。
相続人を選ぶ方法として理想的なのは、現在その財産を所有している人の意志がしっかりと反映されることです。また所有者本人が誰に譲るのか決めることで、周囲の人間からも不満が出にくいでしょう。「自分の相続でトラブルに発展しないか」と不安に感じる方も多いかもしれませんが、生前整理によってこの不安もある程度軽減できます。
また自分自身が、どのような財産を有しているのかもしっかり把握できます。所有する不動産や土地の価値を把握する、きっかけとなるでしょう。
生前整理をはじめるべき時期
生前整理には、遺族間でのトラブルを避けて負担を減らしてくれるだけでなく、自分自身も納得して相続人を選べるというメリットがあります。
とはいえ、「いつ生前整理を始めればいいのか?」という疑問をもつ方もいらっしゃるでしょう。生前整理を始める時期については、特別な決まりはありません。しかし、適したタイミングというのはあります。
本章では生前整理を始めるタイミングとして、おすすめの時期を紹介します。
子供が家を出たとき
まずは、子供が自立して実家を出たときが挙げられます。就職や結婚などで子供が実家を出る際、多くのご家庭で家の中を整理したり模様替えをしたりするでしょう。子供のものは本人に自分で処分してもらえるため、このタイミングで生前整理を始めておくとスムーズです。
子供が実家を出て自立した後に自分が亡くなれば、相続人となる子供は、家や土地だけでなく、家財道具などもすべて処分しることになります。これは、かなりの重労働です。
少しでも整理するものが減らせるように、子供が家を出たタイミングで生前整理を始めると良いでしょう。子供の負担を軽減するという意味でも、生前整理は必要です。
定年退職をした後
定年退職をしたタイミングも、生前整理を始める時期としておすすめです。それまでの生活と異なり、定年後は家にいる時間を多く確保できます。なかには、定年退職後に「何をして過ごせばいいのかわからない」と感じる方もいるでしょう。
仕事のスケジュールに追われることなく、自分にとって都合の良いときに心ゆくまで整理整頓ができる定年退職後は、生前整理を始めるのにおすすめのタイミングです。
この場合、これからの暮らしを快適にするためにおこなう「老前整理」という側面もあります。老前整理は将来の遺族のためというよりも、自分が今後快適に生活するためのものです。定年退職後の人生をより豊かなものにするために、老前整理をかねた生前整理をおこないましょう。
生前整理のやり方
「子供が実家を出る」「もうすぐ定年退職をする」といったタイミングで生前整理を始めようとする場合、気になるのは「何から始めるべきか」という点でしょう。整理とはいっても、ただ家を掃除し片付けるわけではありません。
本章では生前整理のやり方について、以下3つのポイントに分けて解説します。
- 必要なものと不要なものを分ける
- 不要なものは処分をする
- 相続する資産と生前贈与する資産に分ける
それぞれの工程で整理すべきものを紹介していくので、何から始めれば良いのかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
必要なものと不要なものを分ける
生前整理を始めるのであれば、まずは「必要なもの」と「不要なもの」とを分けましょう。これは生前整理に限らず、片付けや断捨離の基本的な手順です。必要なものと不要なものの選別は、洋服や書類から始めるのがわかりやすくおすすめです。
自分が何を持っているのか、すべての持ち物を正確に把握しておくことがポイントになります。しかし「使わないけど、捨てたくない」というものもあるでしょう。このようなものは無理に処分せず、「不要だけど保管しておくもの」としてひとまとめにしておきます。
とはいえ、いつまでも保管しておくことはできません。これらを「1年後に捨てるか検討するもの」と「自分が死んだあと処分してもらうもの」との2つにわけておきましょう。
不要なものは処分をする
必要なものと不要なものを選別したら、不要なものをどんどん処分していきましょう。細かいものは家庭ごみとして処分します。サイズが大きいものや状態が綺麗で処分するのが少し勿体無いものは、業者に頼んで処分、または買取してしまうのもおすすめです。
また細かいものであっても不用品が大量にある場合は、不用品回収業者に依頼してまとめて引き取ってもらうと良いでしょう。回収の際には費用がかかるかもしれませんが、多数の不用品を一度に整理でき、おすすめです。
業者によっては、処分と買取を同時におこなってくれるところもあります。売却できそうなものは売却し、処分できそうなものは廃棄してもらえるため便利です。
相続する資産と生前贈与する資産に分ける
ひと通り身の回りのものが整理できたら、次に財産の整理をおこないます。誰に何を相続するのか、また生前贈与とした方がいいものはないかをチェックしてください。
生前贈与のメリットは、税金対策になることです。1年間の贈与額が110万円以下の場合は、贈与税が発生しません。毎年110万円以下の分を贈与すれば、節税につながります。
不動産のように分割して贈与できない財産であっても、「相続時精算課税制度」を利用することで2,500万円が課税額から控除されます。しかし場合によっては、生前贈与を利用した方が、かえって損してしまうこともあるため、事前に確認しておきましょう。不安な方は、弁護士をはじめとする専門家にアドバイスを求めるのがおすすめです。
生前整理を行う際の4つのポイント
生前整理をおこなう場合は、「貴重品を間違えて処分してしまった」「せっかく片付けたのに、書類がどこにあるのかわからなくなってしまった」といったことがないように、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
生前整理をおこなう際のポイントは、以下の4点です。
- 貴重品は一箇所にまとめる
- 財産目録に情報を残しておく
- エンディングノートを活用する
- 遺言書を残す
以下で、くわしく紹介します。
1.貴重品は一箇所にまとめる
防犯的な意味で、貴重品を家のさまざまな場所に保管している家庭も多いでしょう。印鑑や通帳などは、保管場所に注意する必要があります。また、すべてを一箇所に保管することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
保険証書や契約書といった重要書類は、できる限り一箇所にまとめて保管するのがおすすめです。重要書類のなかでも、「公共料金」「家賃等の振込先」「クレジットカード会社」などの情報が記載されている書類は、しばしばわからなくなります。いざ必要となったときに「あれ、どこにしまったんだろう」とならないためにも、一箇所にまとめるのがおすすめです。
2.財産目録に情報を残しておく
自分の財産のうち、他者に譲ろうと考えているものは「目録」にまとめておくのがおすすめです。現金・貯金・不動産・証券などの情報は目録にして、誰が見てもすぐに把握できるようにしておきましょう。
目録があれば、実際に相続するタイミングになったとき、相続人は財産を把握・管理できます。財産の調査には、かなりの手間がかかります。あらかじめ作られた目録は、役立つでしょう。
場合によっては、生前贈与を利用した方が節税できることもあります。財産目録を作成したのちに、想定される相続税をある程度計算しておくのがおすすめです。
3.エンディングノートを活用する
エンディングノートの作成もおすすめします。エンディングノートとは、故人が遺族に対するメッセージなどをまとめたノートのことです。これまでの感謝を込めたメッセージだけでなく、自身のプロフィールや資産状況なども、まとめて記載しておくのが一般的なようです。
遺言書とは異なるため、「遺言を書くのは早い」「少し大袈裟な気がする」という方にもおすすめです。
なお、民法上の遺言状は、法的に定められた方法で作成する必要があります。専門家のアドバイスに従って作成するため、少し大掛かりな作業となるかもしれません。一方のエンディングノートは書き方に決まりがないため、気軽に書き記しておくことができます。
4.遺言書を残す
生前整理のゴールは「遺言書の作成」かもしれません。エンディングノートとは異なり、しかるべき手順を踏んで作成する遺言書は、法的拘束力のある書類です。
もちろん遺言書は、必ず残さなければならないものではありません。相続人が多い場合や財産が多い場合には、とかくトラブルが発生します。適切に作成された遺言があれば、遺産分割協議をおこなうことなく相続ができるでしょう。
遺言書を作成することで、法定相続人ではない方にも財産を分けることができます。「家族や親戚ではない、生前お世話になった方に恩返しをしたい」という場合には、遺言書が有効です。
生前整理を業者に依頼する場合の費用相場
高齢になれば、生前整理をすべて自分自身でおこなうことは難しくなります。子供が遠方に住んでいて、手伝ってもらえないケースもあるでしょう。そのようなときにおすすめなのが、専門業者への依頼です。整理収納アドバイザーや終活アドバイザーなどの専門家に頼むなど、さまざまな方法があります。
このようなアドバイザーへ依頼する際の費用相場は、日額1万円程度です。複数人のサポートが必要な場合は、人数分費用がかかると考えてください。
遺品整理には、20万~60万円くらいの費用はかかることを念頭においておきましょう。
生前整理を始めるならなら永寿堂にご相談下さい
生前整理をするなかで、貴重な骨董品や美術品が見つかることもあるでしょう。価値のあるものを処分してしまうのは、もったいないことです。そのようなときにご利用いただきたいのが「永寿堂」です。
骨董品においては販売ルートを多数確保しているため、品物の価値を最大限活かせます。買取品目の幅が広いため、さまざまなものの買い取りが可能です。
北は北海道から南は沖縄県まで、買取のご相談を承っています。骨董品の買取りは永寿堂までぜひ気軽にお問合せください。
骨董品買取専門店 永寿堂のお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
生前整理について解説してきました。生前整理とはどのようなことなのか、いつから始めるべきなのか、整理のやり方やポイントについておわかりいただけたでしょう。将来的に残される家族がスムーズに財産を相続したり遺品整理をしたりできるため、元気なうちから生前整理に取り組むことは大切です。
自分の財産を納得できる形で譲れるため、子供が自立したタイミングや定年退職後は生前整理について考えてみてください。
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