「焼き物」と呼ばれる陶磁器には「陶器」「磁器」「せっ器」「土器」の4種類があります。なかでも食器や茶道具によく使われるのは、「陶器」と「磁器」の2種類です。しかしこの2つ、何が陶器で何が磁器なのか、少し判断に迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、「陶器」と「磁器」を見分ける方法を解説していきます。
【目次】
陶磁器とは?
陶器と磁器の違いとは?
原材料
焼成温度
硬度
陶器と磁器の見分け方の5つのポイント
1.音
2.色
3.吸水性
4.透光性
5.質感
陶磁器を取り扱う際の注意点
電子レンジの使用は控える
重ねて収納しない
濡らした後は十分に乾燥させる
陶器を売るなら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
陶磁器とは?
そもそも陶磁器とは、土や石をこねて焼きあげたものの総称です。そのため「焼き物」と呼ばれることも多く、狭義では「陶器」と「磁器」の2種類に分類されますが、広義ではこれらに「せっ器」や「土器」も含めた4種類とされることもあります。
4つそれぞれの違いは、原料や焼き上げるときの温度、釉薬(ゆうやく)の有無などさまざまです。また作られ方が異なるため、器の硬さにも違いがあります。
陶器と磁器の違いとは?
焼き物のなかでも食器として多く用いられるものは、陶器と磁器の2つです。この2種類を見分けるためには、いくつかのポイントに注目して比較しなければなりません。そこでここでは、陶器と磁器の2つの見分け方について「原材料」「焼成温度」「硬度」といった3点に分けて解説します。
自分の保有している器が陶器なのか、あるいは磁器なのか、以下の内容を参考に確認してみてください。
原材料
陶器と磁器は「原材料」が異なり、陶器の主な原材料には「陶土」が用いられます。陶土は粘土の一種であり、陶器が「土もの」と呼ばれることがあるのもこのためです。
一方で「磁器」には、「磁土(じど)」が原材料として使われます。磁土とは「長石(ちょうせき)」などの磁石を主成分とする土のことです。このことから磁器は、「石もの」と呼ばれることがあります。
つまり陶器は土、磁器は石に近い原材料でできていると考えるとわかりやすいでしょう。
焼成温度
陶器と磁器は焼き上げる際の「焼成温度」も異なります。
土で作られている陶器の焼成温度は、800℃~1,200℃前後です。石で作られている磁器の焼成温度は陶器よりも高温で、約1,200〜1,400℃前後にもなります。
焼成温度に差があることも、原材料が土と石とで異なることを踏まえると納得できるでしょう。
硬度
陶器と磁器は、「硬度」も大きく異なります。陶器は低めの温度でじっくり焼き上げるため、磁器と比較すると硬度がやや劣るのです。磁器に比べて割れやすいため、扱いには注意を払わなければなりません。
磁器には、加工を施す前の下地が陶器よりもきめ細かい、といった特徴があります。また焼成温度が高いため、陶器よりも硬度が高いです。
もちろんいくら硬度が高いといっても、やはり磁器は割れ物であるため、扱いには注意を払わなければなりません。特に局所的に受ける衝撃に弱く、小さなカケやヒビが入りやすいです。
陶器と磁器の見分け方の5つのポイント
陶器と磁器を見分けるためには、いくつかのポイントに沿って両者を比較しなければなりません。陶器と磁器の見分け方のポイントは、「音」「色」「吸水性」「透光性」「質感」の5つです。
ここではそれぞれの項目について、陶器と磁器の違いを解説していきます。自宅にある器が陶器と磁器のどちらなのか、一度チェックしてみてください。
1.音
陶器と磁器は、「音」で判別できることがあります。軽くたたいた際に陶器は鈍い音がする一方で、磁器は凛とした金属質の音が響くため、音を聞けば判別できることもあるのです。
陶器か磁器かを音で判別するためには、器をお箸などで軽く叩いてみましょう。低めの音であれば陶器、チーンと高く澄んだ音であれば磁器である可能性が高いです。もちろん、器の大きさによっても音に違いがあるため、音だけで正確に判別できるわけではありません。
2.色
陶器と磁器は、見た目の「色」で判別もできます。陶器の場合は、淡い色をしていることが多く、一方で磁器は「純白色」で全体的に澄んだ色をしていることが特徴です。
この理由としては、釉薬がかかっていない部分の色が、陶器であれば茶色やベージュといった「土っぽさ」を感じるのに対し、磁器の場合は白に近い明るい色をしているためです。
3.吸水性
「吸水性」の違いも陶器か磁器かを判別できるポイントです。なぜ吸水性が違うのかは、両者の原材料が異なる点に起因しています。前述したように、陶器は土から作られており、磁器は石から作られていることがその要因です。
陶器には水を吸い込む性質があり、吸水性が高いとされています。磁器は石から作られているため、水を吸い込むことがなく、吸水性も低い傾向にあるのです。水を弾く器であれば、磁器の可能性が高いといえるでしょう。
4.透光性
透光性も陶器か磁器かを判別できるポイントです。土から作られている陶器には、光を通さない性質があります。対して石から作られている磁器は、光を通す性質を持っているのです。
部屋の明かりなどに透かしてみると、陶器か磁器かを簡単に判別できるかもしれません。音や色、吸水性で判断できない場合は、透光性にも着目してみると良いでしょう。
5.質感
器を触ってみたときの「質感」からも、陶器か磁器かを見分けられます。触ってみて、ざらざらとした感触がある場合は陶器、しっとりしておいて滑らかな質感であれば磁器と判断していいでしょう。
また、見た目からも陶器か磁器かを判別できます。肉厚でぽってりとしており、やや素朴な印象を受けるものは陶器、薄くてツルツルとした見た目で、無機質な印象を受ける器は磁器の可能性が高いです。
陶磁器を取り扱う際の注意点
もはや説明不要かもしれませんが、陶磁器は「割れ物」です。強度の差があるものの、乱暴に扱えば割れてしまいます。では陶磁器を扱う場合は、どのような点に注意すべきなのでしょうか。ここでは陶磁器を取り扱う際の注意点として、「電子レンジを使わない」「重ねて収納しない」「しっかり乾燥させる」といった3点を解説していきます。
電子レンジの使用は控える
近年では電子レンジを使用できる陶磁器もありますが、基本的には使用を控えるべきでしょう。電子レンジの使用頻度が高い場合、ヒビが入ってしまう可能性があります。場合によっては欠けてしまうこともあるため、注意してください。
また磁器のなかでも、特に金や銀の装飾がされているものは、電子レンジを使うと危険です。電子レンジを使用する際には、その陶磁器が対応しているのかどうかを確認しましょう。
重ねて収納しない
陶磁器を食器棚などに収納する際、極力重ねずにしまってください。特に陶器は、磁器よりも強度が弱くて柔らかいため、表面に傷がついてしまう原因となります。
そのため陶器と磁器をわけるのはもちろん、陶器はほかの食器とも分けて、重ねずに収納すると良いでしょう。スペースの都合からどうしても重ねて収納したいときには、器と器の間に和紙やペーパーナフキンを挟むのがおすすめです。
濡らした後は十分に乾燥させる
陶器は磁器よりも吸水性が高く、水分を通しやすくなっています。そのため、磁器と比較するとカビが発生しやすいです。
表面が乾いているにもかかわらず、なかはまだ湿っているというケースも多いため、使用したあとは十分に乾かしてからしまってください。
ふきんなどで水分をしっかりとふき取ったあと、風通しの良いところに置いておくと、早く乾くためおすすめです。
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まとめ
陶磁器に分類される品物のなかで、食器として多く用いられているものは「陶器」と「磁器」の2種類です。ここまでの内容から、陶器と磁器の違いについておわかりいただけたでしょう。
陶器と磁器は、音や色、吸水性、透光性、質感といった5つのポイントに注目することで判別が可能です。自宅で保管している食器がどちらに該当するのか、本記事の内容を参考に確認してみてください。
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