寛永通宝というものをご存知ですか?江戸時代に使われていた銭貨であり、現在においてもコレクターの間で高い人気を得ています。
本記事では「寛永通宝」について、全11種類の見分け方や価値、高額買取してもらうためのポイントなどを解説します。
【目次】
寛永通宝とは
穴銭に分類される
古寛永との違い
寛永通宝の11の種類の価値と見分け方
1.文銭
2.水戸銭
3.正字背文
4.小梅銭
5.浅草銭
6.下野国足尾銭
7.二水永
8.石ノ巻銭
9.芝銭
10.島屋文
11.松本銭
寛永通宝を高価買取してもらうためのポイント
自分で手入れをしない
付属品と一緒に買取に出す
まとめて買取に出す
早いタイミングで買取に出す
穴銭買取の実績が豊富な業者を選ぶ
寛永通宝の買取なら永寿堂にお任せください
まとめ
寛永通宝とは
寛永通宝とは、江戸時代に流通していた銭貨のことです。300年以上もの長期間流通していたことから、その種類も豊富です。その独特なデザインは、現在においてもコレクターから高い人気を得ています。寛永通宝は種類や状態によって、非常に高額な値段で取引されることもあるのです。本章ではまず、寛永通宝とはどのようなものなのかを詳しく説明していきます。
穴銭に分類される
冒頭で解説したように、寛永通宝は江戸時代に流通していた銭貨のことです。始まりは1626年に遡ります。佐藤新助という人物によって作られたことに始まり、1636年になると本格的に製造、使用されるようになりました。
その後1953年まで、300年以上流通していた銭貨であることから、さまざまな種類が製造されていました。
また銭貨にはさまざまなものがあり、寛永通宝は「穴銭」に分類されます。穴銭というのは、名前のとおり「中心に穴がある銭貨」のことです。現在の5円玉や50円玉も、中心に穴があるため穴銭に分類されますが、寛永通宝の場合は現在の硬貨とは異なり、「四角い」穴が開いています。
古寛永との違い
寛永通宝と似たものに「古寛永」というものがあります。基本的に寛永通宝と古寛永の違いはとくにありません。あえていうならば、発行された年が異なるのです。寛永通宝は、発行された年によってその呼び方が変わります。
1668年までに発行されていれば「古寛永」、1669年以降に発行されていれば「新寛永」と呼ばれます。寛永通宝のなかで古いものと、比較的新しいものとで呼び方を区別していると認識しておくとわかりやすいでしょう。
寛永通宝の11の種類の価値と見分け方
寛永通宝は、11もの種類に分かれています。そして種類によって数百円〜数十万円と、買取価格に大きな差が生じます。また、見た目が似ている寛永通宝もあるため、慎重に見分けなければなりません。
ここでは、11種類それぞれの見分け方や状態別の買取相場を紹介します。保管しているものが11種類のうちのどれに当てはまるのか、ここでチェックしていきましょう。
1.文銭
1688年に亀戸で発行されたものです。その裏には文銭であることを表す「文」という文字が刻印されています。通宝のなかでも価値が高いものとして知られており、希少性が高いものの場合、状態によっては数十万円になることもあるそうです。しかし一般的には、以下に示す程度の価値とされています。
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未使用:1,000円前後
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使用済みでも状態が良い:500円前後
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普通:500円
2.水戸銭
これは1637年に水戸で作られたものです。流通している枚数が多いことから、基本的な価値が低い傾向にあるでしょう。しかし種類によっては、非常に高い値がつくものもあるかもしれません。諦めずに一度査定してもらうのがおすすめです。
水戸銭は、伝統的な日本の文化として重要な芸術的役割を果たしてきました。 そのため今もなお、多くの芸術作品や古美術品における貴重なものとして愛されています。おおよその価値は、以下をご覧ください。
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未使用:500円前後
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使用済みでも状態が良い:300円前後
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普通:300円以下
3.正字背文
正字背文は、1688年に発行されました。寛永通宝は本来、裏面に特別な文字が施されることがありません。しかし、この正字背文の場合は違います。裏面には「文」という文字が施されていることが大きな特徴といえます。
これは、流通している数がやや多い通貨です。したがって希少性の点でみるとそれほど高い価値がありません。しかし、裏面に刻まれている文字の書体にいくつかのパターンがあり、なかにはこの書体によって高い値がつくものもあります。一般的な価値は以下のとおりであるため、参考にしてください。
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未使用:500円前後
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使用済みでも状態が良い:100円前後
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普通:100円以下
4.小梅銭
小梅銭とは、江戸時代の1737年に江戸の「小梅村」と呼ばれる場所で作られた通宝のことです。裏面に「小梅」といった刻印が施されていることが、見た目の特徴として挙げられます。
小梅銭はほかの通宝と比べて、文字の書体のバリエーションが豊富であるといった特徴もあり、どのような書体なのかによってその価値が大きく変動することもあるでしょう。もちろん通貨の状態によっても価値は異なり、具体的には以下の価格で取引されています。
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未使用:1,000円前後
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使用済みでも状態が良い:500円前後
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普通:500円以下
5.浅草銭
浅草銭とは、浅草に銀座が建設されたことを記念して発行されました。「浅草銭」はときに「志津磨百手」などと呼ばれることもありますが、基本的にはすべて同じものを指しているのです。
「浅草銭」に多数の呼び名があることは、「浅草銭」に刻まれている文字の書体と関連が深いとされています。実際に「浅草銭」に書かれた文字は、一つひとつ書体が異なっており、それに応じてさまざまな呼び名があるのではないかと考えられています。同通宝のおおよその価値は、以下のとおりです。
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未使用:1,000円前後
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使用済みでも状態が良い:500円前後
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普通:500円
6.下野国足尾銭
下野国足尾銭は、足尾銅山から採取できる銅が少なくなった時期(1741年頃)に作られた通宝です。足尾銅山に関係のある証拠として、下野国足尾銭の裏面には「足」という文字が刻印されています。
下野国足尾銭の大きさは、均一ではありません。一般的にはサイズによって価値が変わるとされており、大きなものほど高値がつきます。一般的な価値は、以下のとおりです。
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未使用:500円前後
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使用済みでも状態が良い:100円前後
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普通:100円以下
7.二水永
二水永とは、佐藤新助によって製造されたものです。同人が江戸幕府の許可をもらったことから製造が始まり(1626年)、その後流通することとなりました。二水永の表面には「寛永通宝」の文字が刻まれており、「永」という漢字が「二」と「水」の文字を組み合わせた見た目となっていることから、この名前で呼ばれるようになったのだそうです。
価値の高いものであるため、もしもお持ちであれば一度買取査定に出してみることをおすすめします。佐藤新助が寛永通宝の生みの親とされる存在であったことも、二水永の価値を底上げしているのかもしれません。
もちろん、保管状態によっても査定額が変わるため、以下を参考にしてください。
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未使用:5万円前後
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使用済みでも状態が良い:1万円前後
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普通:1万円以下
8.石ノ巻銭
石ノ巻銭とは、1728年に宮城県の石巻市で製造されました。この銭には、裏面に「仙」という文字が刻まれているといった特徴があります。さらに石ノ巻銭は、小梅銭と同様に文字の書体が多種多様であり、書体によって価値が大きく変動するという点も特徴のひとつです。
同通宝の価値は状態によっても異なるため、詳しくは以下をご覧ください。
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未使用:1万円前後
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使用済みでも状態が良い:1,000〜7,000円
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普通:1,000円以下
9.芝銭
芝銭は1636年に発行、流通していた貨幣です。古寛永に分類されるこの貨幣は、最初に製造された通宝として知られています。裏面には何も刻印されておらず、表面に「寛永通宝」とだけ刻印された通宝です。
製造数が多かったことから価値は低く、価格相場も100円前となっています。しかし、鋳型を作る際に原型として使われた「母銭」というものであれば、価格相場が10,000円前後まで跳ね上がります。この芝銭も状態によって価値が上下するので、以下を参考にしてください。
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未使用:500円前後
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使用済みでも状態が良い:100円前後
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普通:100円以下
10.島屋文
島屋文は1668年に発行され、文銭と同様に表面には「寛永通宝」、裏面には「文」と書かれています。島屋文は表面の「通」が特徴的な書体となっており、「通」の右上の部分がカタカナの「ユ」のような形をしているものが「島屋文」と判定可能です。
めったに発見されず、非常に希少性が高いことから島屋文にはプレミアが付いています。しかし文銭と同様に、島屋文と似た特徴を持つ通宝がほかにいくつかあるため、必ず専門家による鑑定をおこなってください。「未使用」「状態が良い」「普通」の3段階でみた価値は、以下のとおりです。
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未使用:30万円前後
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使用済みでも状態が良い:20万円前後
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普通:10万円前後
11.松本銭
1637年に信濃で作られたのが「松本銭」です。信濃の松本で作られたことが名前の由来となっています。 ほかの通宝と比べると流通している数が少ないことから、現在では博物館に展示されることもあるほど希少価値の高い貨幣とされています。もちろん、買取価格も高額が期待できるでしょう。
ただし、このように高額な値段がつくことから、偽物やレプリカなどが大量に発行されています。偽物やレプリカでは当然値がつかないため、購入する際には十分に注意してください。具体的な買取価格は以下のとおりです。
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未使用:1万〜1万3,000円
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使用済みでも状態が良い:7,000円前後
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普通:5,000円以下
寛永通宝を高価買取してもらうためのポイント
寛永通宝は、ものによっては非常に高額な値段で取引されます。また、種類だけではなく、状態によって取引される金額が異なります。せっかくならば、少しでも高額な値段で買い取ってもらいたいところでしょう。
ここでは、寛永通宝を高額買取してもらうポイントについて解説していくため、自宅で保管している人はぜひ参考にしてください。
自分で手入れをしない
「買取」というと、通常はブランド品や装飾品のような「美品」が高値で取引される傾向にあります。そのため、多くの人が寛永通宝などの古銭を自分で磨いたり、汚れを落としたりすることがあるかもしれません。
しかし古銭の場合は、汚れがついていることによって、かえって価値が高くなる場合があります。古銭のコレクターには、歴史的な価値を感じさせる古い風合いが好まれる傾向にあるためです。下手に自分で手入れする前に、そのままの状態で買取に出すことをおすすめします。
付属品と一緒に買取に出す
寛永通宝を買取に出す場合は、ケースや鑑定書などの付属品を一緒に出すことをおすすめします。付属品がしっかり揃っているほど、価値もプラスされるためです。種類によって買取価格が大きく変わることが寛永通宝の特徴でもあるため、鑑定書がついていれば種類を特定する証明となります。
製造年や鋳造された銭座などを確認できるものがあると、買取査定の時間を短縮できることを覚えておくといいでしょう。
まとめて買取に出す
自宅に寛永通宝以外の古銭(和同開珎など)や皇朝十二銭、古紙幣、海外のコインがある場合は、寛永通宝と一緒に買取に出すことをおすすめします。
いくつかの種類をまとめて査定してもらうことによって、査定額が高まる可能性もあるでしょう。基本的に古銭の買取を請け負っている業者では、寛永通宝以外の古銭はもちろんのこと、大判や小判、記念硬貨、エラーコイン、切手などの買取にも対応しています。
早いタイミングで買取に出す
寛永通宝やそのほかの古銭は、基本的に年月が経つにつれて劣化していくものです。そのため、早いタイミングで買取に出すことで、高額買取が期待できます。
空気中の水分や塩分、滞留空気などに触れることで、銅や鉄でできた古銭は酸化やサビ、変色する可能性があるのです。
また古銭を貯めるコレクターの数は、年々減っています。需要が低下傾向にあるため、希少な古銭であっても以前より値段が下がってしまう可能性もあります。
穴銭買取の実績が豊富な業者を選ぶ
11種類の紹介を通してもわかるように寛永通宝は種類が豊富であり、なかには見た目が非常に似たものもあります。また流通数も多いため、鑑定が非常に難しいものです。わずかな字体の違いから、正確に判定するのは専門の鑑定士であっても容易ではありません。
誤った鑑定結果によって価格がつけられてしまわないように、実績の豊富な業者を選びましょう。
寛永通宝の買取なら永寿堂にお任せください
永寿堂では、愛知・岐阜・三重などの東海エリアを中心に、全国でコレクター収集品の買取をおこなっています。店頭買取はもちろんのこと、出張買取や宅配買取にも対応しているため、ご希望の買取方法をお選びいただけます。
寛永通宝や記念コインはもちろんのこと、アンティーク時計やライターなど、多種多様なコレクター収集品の査定が可能です。
経年劣化してしまったものでも、希少性が高いものは高額査定となる可能性があります。廃棄してしまう前に、収集された大量の寛永通宝がございましたら骨董品買取の永寿堂へお気軽にご相談下さい。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
今回は寛永通宝における種類ごとの価値について解説しました。11種にも分類される寛永通宝は、種類によって特徴や価値が異なります。数百円で取引されるものもあれば、数十万円もの価値がつく寛永通宝もあります。
状態によっても買取価格が変わるため、寛永通宝を自宅で保管している方は、永寿堂の無料査定を検討してみてはいかがでしょうか。
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