中国の焼き物は、豊富な歴史と美しさから世界的に評価されています。本記事では中国の代表的な3つの焼き物、唐三彩、白磁、青磁をはじめ、歴史と種類について時代ごとに詳しくご紹介。中国の陶磁器の素晴らしさに触れ、歴史と文化をより深く理解してはいかがでしょうか。
【目次】
中国の代表的な3つの焼き物
唐三彩
白磁
青磁
中国の焼き物(陶器)の歴史と種類
新石器時代
唐時代
宋時代
明時代
清時代
価値のある中国陶器の種類とは
釉裡紅
景徳鎮
中国の焼き物の買取なら永寿堂にお任せください
まとめ
中国の代表的な3つの焼き物
中国は、古代から焼き物の技術が発展し、世界中にその名が知れ渡っています。代表的な中国の焼き物として、唐三彩、白磁、青磁の3つが挙げられるでしょう。それぞれの焼き物は異なる特徴を持っています。
本章では上記3つの焼き物について、特徴や用途などを解説していきます。焼き物にどのような種類があるのかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
唐三彩
唐三彩とは、葬式の際に故人の人生を偲び、衣類などとともに埋められる副葬品として使われた陶器です。当初、唐三彩は「唐代の色」を示していましたが、徐々にその言葉は唐三彩を施した陶器全体に対して使われるようになりました。
陶器の特徴は、焼成過程が2段階に分けられることです。最初に形を作って素焼きを行い、冷却した後に釉薬を塗って2回目の焼成をおこないます。唐三彩の釉薬には、銅や鉄、マンガン、コバルト、アンチモンなどが含まれており、鉛釉とも呼ばれます。鉛釉は、漢代に西方から伝わったものです。青や紫、クリーム色など多様な色彩を生み出し、美しく鮮やかな外観が特徴です。
唐代中国で誕生した唐三彩は、西アジアやイタリア、そして日本にも広まり、各地の陶磁器に大きな影響を与えました。
白磁
白磁の製造は、青磁よりも若干遅れて560年から570年頃、南北朝時代の北斉の時代に始まりました。白磁の白さは釉薬によるもので、中国南部では青磁を、北部では白磁を焼く窯が多く、「南青北白」という表現が生まれたのだそうです。
唐代に入ると白磁の生産が活発化し、文化や芸術が大いに発展した北斉時代には、青磁や白磁の逸品が数多く作られました。日本で知名度の高い龍泉窯の青磁や景徳鎮窯の青白磁が製作され始めたのも、北宋から南宋の時代とされています。
白磁の釉薬には鉄分が含まれず、鉄分の有無が色の違いとして現れます。焼成法は青磁と同様であり、窯内の酸素量を制限しながら焼く方法が一般的です。
青磁
青磁が最初に作られたとされるのは、非常に古い時代で紀元前の殷時代です。この時期の青磁は、原始青磁や初期青磁とも呼ばれます。現在思い浮かべるような青緑色の青磁が登場したのは、後漢から西晋の時代、つまり三国志時代に当たる1世紀から3世紀頃で、現在の浙江省に位置する越州窯で主に製作されました。
唐代になると、青磁は文人、知識人、そして上流階級の貴族たちによって高く評価されるようになります。青磁の色が碧玉や翡翠に似ており、位の高い君子が身につける宝石の美しさを表現していると考えられたことが理由です。
中国の焼き物(陶器)の歴史と種類
中国は古代から焼き物の技術が発展しており、歴史は非常に長いものです。中国の焼き物の歴史と種類を時代別にみていくと、新石器時代を皮切りに、唐時代や宋時代、明時代、清時代など、さまざまな時代にそれぞれ特徴的な陶器が登場しています。ここでは、各時代における焼き物の特徴を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
新石器時代
中国の焼き物は、1万年以上もの歴史があります。始まりは「新石器時代」とされおり、彩陶文化と称されていました。
新石器時代に遡る中国の陶磁器の歴史は、彩陶文化が根源とされおり、酸化マンガンや代赭石を使った彩文土器が特徴的です。かつては仰韶土器やアンダーソン土器とも呼ばれ、陝西や河南から広がっていきました。
唐時代
唐時代の象徴的な陶磁器は、唐三彩として知られています。主に黄と緑、白、青色の4色で構成され、特筆すべきは洛陽近郊や長安周辺の王族や貴族の墓地から多くの出土品が見つかっていることです。
ただしこれらは土器ではなく、鉛釉を用いた陶器でした。主に副葬品として作られ、さまざまな形の器や動物、人物の形をしたオブジェが特徴的です。
宋時代
宋時代には中国の陶磁器製作がさらに発展し、黄金期と称されるほどの進歩がありました。定窯や鈞窯、官窯、汝窯、哥窯といった5つの名窯が誕生し、宋時代の5大名窯といわれています。
技術的にも優れた時代であり、最高品質の作品が生み出されました。景徳鎮窯はのちの時代にも活躍しましたが、汝窯の作品は極めて少なく、青磁窯とも呼ばれています。現存する作品はわずか70点ほどで、その希少性が伺えるでしょう。
明時代
明時代には「景徳鎮窯」が陶磁器生産の中心的な役割を果たしています。宮廷用の陶磁器が数多く製作され、青花や五彩といった絵画的な加飾が施された器も大変人気がありました。
豆彩という技法も非常に人気があり、釉下彩の青花と上絵付けの色絵を組み合わせて作られています。緑色の絵の具が特徴で、豆の色に似ていることから豆彩と名付けられました。豆彩は数が少なく、希少価値が高いとされています。完成度の高い作品のみが残され、ほかは破棄されたためです。また闘彩とも呼ばれており、緑のほかにも赤や黄、紫などの色で構成されています。「色同士で競い合う」といった意味が込められているのです。
清時代
清時代に入ると、これまでに開発された色釉がさらに進化しました。技術の向上により新しい色釉が開発され、陶磁器は中国陶磁器の最高峰ともいわれる美しさを示しています。
この時代には、粉彩という七宝の技法を用いた磁器が登場しました。石英の粉末と鉛を混ぜたものを基本に、多くの色素を用いて器面に絵を描けます。
さらに同じ技法を使った琺瑯彩と呼ばれる磁器も作られました。これは景徳鎮で磁胎を作り、官営の工房である琺瑯作で絵付けがおこなわれたもので、エナメルで描かれた絵の美しい仕上がりが特徴です。
価値のある中国陶器の種類とは
中国の陶磁器は、歴史と技術の発展により、多くの種類が生まれてきました。なかでも、とくに価値があるとされる陶器のは「釉裏紅(ゆうりこう)」と「景徳鎮(けいとくちん)」です。
ここではそれぞれの陶器について解説していくので、各特徴を確認し、自宅に保管されているのがどのような焼き物なのかをチェックしてみてください。
釉裡紅
釉裏紅(ゆうりこう)は、白磁の基材に赤色の絵が描かれた陶磁器で、酸化銅を含んだ材料が使われており、窯の温度を緻密に調整しながら完成させる中国の古美術です。
1,300度以上の高い温度で焼成され、温度が低すぎると絵が黒くなり、逆に温度が高すぎると絵が消えるなど、釉裏紅の製造過程における温度管理は非常に困難とされています。
一つの釉裏紅を作成するには、多大な労力と高度な温度調整技術が要求されるため、現在では本物の釉裏紅を製作する窯はほとんど見られません。そのため釉裏紅の希少性が高まっており、価値が増しています。
景徳鎮
景徳鎮(けいとくちん)で一般的なのは、白磁にコバルトを用いて絵を描いた「青花磁器」です。透明感のある淡い白磁に花や龍などのデザインが繊細に描かれています。
極薄で厚み0.5〜1.5mmの「薄胎碗」や、ドット状の特殊な透かし模様「玲瓏(リンロン)」など、絵付け以外にも陶器自体が高度な技術で製作されていることも特徴です。
コバルトだけではなく「辰砂(しんしゃ)」を用いて赤い絵が描かれた焼き物や、多彩な色合いで装飾されたものも見られます。
中国の焼き物の買取なら永寿堂にお任せください
中国の焼き物を売却する際は、どの年代のなんという陶器なのかを正確に判断しなければなりません。しかし、焼き物(陶器)の価値を正確に判断するためには、専門の鑑定士が必要です。それだけではなく、しっかりと実績が伴った鑑定士のいる業者へ依頼しなければ、誤った査定をされてしまう恐れがあります。
骨董品買取専門店の永寿堂では、陶磁器をはじめとした骨董品の買取を数多くおこなっています。初めて焼き物を売却する方も、安心してお任せいただけるでしょう。これを機に、中国の焼き物を自宅で保管している方は、中国美術の買取り店へ売却を検討してみてください。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
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まとめ
中国の代表的な焼き物や種類について詳しく解説しました。唐三彩や白磁、青磁など、美しく独特の技法が用いられた焼き物は、中国の文化を象徴する芸術品です。また新石器時代から清時代までの歴史をたどり、それぞれの時代における陶器の特徴も紹介しました。
永寿堂では、さまざまな品物の買取に対応しております。自宅で焼き物を保管している方は、ぜひ検討してみてください。
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