茶入とは、茶道で使用する抹茶を入れておくための道具です。形や作られた国によって、種類が異なります。この記事では、種類の違いや高く売るためのポイントを紹介するので、茶入の売却を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
茶入とは
代表的な茶入「天下三肩衝」
茶入の歴史
茶入の形の種類
肩衝(かたつき)
文琳(ぶんりん)
丸壷(まるつぼ)
鶴首(つるくび)
鮟鱇(あんこう)
四滴(してき)
茶入の産地ごとの種類
唐物
和物
島物
茶入を高く買取してもらえるポイント
付属品を揃えている
破損がなく保存状態が良い
古い時代の作品や有名な作家の作品
茶入の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
茶入とは
茶入とは、濃茶用として使う抹茶の粉を保管するための容器で、陶器で作られています。濃茶は水分が少なく、抹茶の粉の分量が多いです。
薄茶用のものは、薄茶入れや棗、薄茶器と呼ばれます。作られた地域や形などによって多くの種類があるのが特徴です。茶道具としてはもちろん、鑑賞用としても使われます。
茶入には代表的なものも存在し、歴史も長いです。以下でそれぞれ紹介していきます。
代表的な茶入「天下三肩衝」
茶入には「天下三肩衝」と呼ばれる代表的なものがあります。天下三肩衝とは、以下の3つの茶入です。
・新田肩衡(にったかたつき)
・初花肩衡(はつはなかたつき)
・楢柴肩衝(ならしばかたつき)
これらは、織田信長や豊臣秀吉が求めた茶入といわれています。すべての茶入を集めるのは、天下を取るよりも難しいといわれていたようです。
茶入の歴史
茶入が日本に伝わったのは、1191年です。栄西禅師が中国からお茶の種を持ち帰るときに入れた壺が起源でした。持ってきた壺は現在、高山寺に秘宝として保管されています。当初は種を入れるものでしたが、やがて室町時代には茶入れとして使われるようになったのです。
出来がいいものは名物と呼ばれ、安土桃山時代には茶人にとって非常に重要な茶道具となりました。ちなみに中国では抹茶ではなく、膏薬や練薬、薬味、調髪油などを入れていました。茶人が高い値段で買い付けていくため、多く輸出するようになったようです。
茶入の形の種類
茶入には、6つの種類があります。
・肩衝(かたつき)
・文琳(ぶんりん)
・丸壷(まるつぼ)
・鶴首(つるくび)
・鮟鱇(あんこう)
・四滴(してき)
ひとくちに茶入といっても、さまざまな種類があります。種類を見分けられると、売却するときの相場を調べる際に役立つでしょう。気になる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
肩衝(かたつき)
肩衝茶入は、上部(肩にあたる部分)が横に張り出していることが特徴です。肩衝の由来は、肩の部分が角ばっていているところにあります。肩衝は当時、武士に好まれていた茶入です。
武士が正座した姿が肩衝に似ているためでした。力強い見た目をしており、現在は多くの茶入が肩衝の形です。肩衝はさらに3つの種類に分けられます。
・大肩衝
・小肩衝
・半肩衝
ちなみに代表的な茶入で紹介した「天下三肩衝」はこれに分類されます。
文琳(ぶんりん)
文琳とは、りんごのような丸みを帯びた茶入のことです。中国の文琳郎という人物が国にりんごを献上したことから「りんご=文琳」となりました。唐の茶入において代表的な形です。
現在、大名物と呼ばれる質の良い有名な文林のほとんどは、美術館が所有していいます。例えば、「宇治文琳」を東京国立博物館が所有していたり、「唐物羽室文琳茶入」はMOA美術館がコレクションしていたりするので、実物を見たい場合はチェックしましょう。
丸壷(まるつぼ)
丸壺とは、茶入の首が長く立ち上がり、胴が丸く膨らんでいるものを指します。文琳茶入も丸い形をしていますが、首が短いのが特徴です。見分けるときには、首が長いかどうかを比較してみてください。
現在丸壺の茶入は、美術館などに保存されています。徳川美術館には「唐物丸壺茶入 銘 唐丸壺」が保存されており、根津美術館では「瀬戸窯で制作された丸壺茶入」が見られるでしょう。
鶴首(つるくび)
鶴首は、長い首を持った茶入のことです。丸壺も首が長めですが、さらに長い特徴があります。鶴のように長い首を持っていることから、この名前が付けられました。
この鶴首も美術館で保管されています。江戸時代に作られた「高取鶴首茶入」は、本間美術館に保存されている作品です。茶入の写しを販売している業者もあります。
鮟鱇(あんこう)
鮟鱇茶入とは、魚のあんこうのように大きな口を持ったものです。口が大きく広がっている姿からこの名前が付きました。胴体は丸みを帯びているものがほとんどです。
鮟鱇茶入は、美術館の展覧会などで見られたり、骨董品専門店で購入できたりします。価格は1万5,000〜4万円程度です。ものの出来栄えによって異なります。
四滴(してき)
四滴とは、4つの茶入の総称です。4つの茶入とは、以下のものを指します。
・油滴
・水滴
・弦付
・手瓶
油滴は、肩に小さな注ぎ口があるのが特徴です。水滴は注ぎ口と取っ手が付いています。裏千家では薄茶器として使われますが、表千家では、濃茶に使用するのが特徴です。弦付は、長めの弦のような取っ手が特徴で、手瓶には水滴と同様に取っ手がありますが、注ぎ口がありません。
有名作家のものでなければ、現在でも手に入れられる茶入です。
茶入の産地ごとの種類
茶入は、作られた国によっても種類が分かれます。主な分類は、以下の3つです。
・唐物
・和物
・島物
茶入を売却しようと思っている場合は、それぞれどのような特徴があるのかを把握しておきましょう。自分の持っている茶入の種類を知っておくことで、相場や価値を調べたいときに役立ちます。以下でそれぞれの茶入の特徴などを紹介するので、参考にしてみてください。
唐物
唐物とは、中国の宋代から元の時代に作られた茶入を指します。最高位に位置づけられ、古くから貴重なものとして扱われてきました。とくに初期に作られた質のいいものは、漢作唐物と呼ばれています。
現存する漢作唐物は、すべて大名物と呼ばれる貴重なものです。ほとんどは、国宝・重要文化財として登録されています。漢作唐物として有名な作品が豊臣秀吉が所有していたとされている「北野茄子」です。
和物
和物とは、日本国内で作られた茶入を指します。和物茶入は、瀬戸焼と国焼で区分されるのが特徴です。和物の歴史は、1222年に道元と加藤四郎左衛門景正が中国から土や釉薬を持ち帰ったことに始まります。
その茶入は、瀬戸で作られたので瀬戸焼と呼ばれるようになりました。当初は唐物を模した作品が多かったものの、安土桃山時代に入ると独自の形に変化します。江戸時代には唐物の次に価値が高い茶入でした。
島物
島物は、東南アジアをはじめとする南の島々で作られた茶入です。もともと茶入としては使われておらず、香料などを入れていました。その後安土桃山時代に日本に渡り、茶入として使われるようになります。
島物は作られた国によって、名称が異なるのが特徴です。
・ベトナム:安南(あなん)
・フィリピン:呂宋(るそん)
・東南アジア:南蛮
島物は、コンディションによって買取価格が異なるため注意しましょう。
茶入を高く買取してもらえるポイント
茶入を高く買取してもらえるポイントは、以下の3つです。
・付属品を揃えている
・破損がなく保存状態が良い
・古い時代の作品や有名な作家の作品
茶入を普通に売っても問題はありませんが、少しの工夫で高く売れる可能性があります。それぞれどの部分に気をつけるべきかを解説するので、見ていきましょう。少しでも高く売りたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。
付属品を揃えている
茶入を売却するときには、付属品を揃えましょう。貴重な茶入は共箱に入れられていることが多いです。共箱が古いとさらに高く買い取ってもらえる可能性が高まります。
共箱以外に水差しや杓立など、ほかの茶道具があった場合も一緒に売却するのがおすすめです。付属品がないからといって買取を拒否されることはありませんが、価値を高めるためにも揃えて売却しましょう。
破損がなく保存状態が良い
茶入の破損がなくて保存状態が良いことは、高く売れる条件です。キズが付いていたり、汚れていたりする場合は、価値が下がってしまいます。とくに注意したいのが、買取してもらうためにきれいにしようとして、キズを付けてしまうパターンです。
ホコリが被っている程度であれば、査定金額に大きく影響はありません。むりにきれいにしようとせず、軽く拭く程度にとどめておきましょう。
古い時代の作品や有名な作家の作品
古い時代の作品や有名な作家のものは、高く売れるでしょう。茶入は古そうと感じるだけでも数万円の買取金額になることがあります。匂いや外見、材質などでなんとなく古く感じる場合は、買取専門店に持っていくのがおすすめです。
有名な作家の茶入の場合、本体に落款(サイン)が入っていたり、共箱に墨書きが書かれていたりします。それらの有無をチェックしてみてください。茶入以外の茶道具の処分を考えている場合は、以下の記事も参考にしてみましょう。
茶道具を処分する方法は5つある!高く売れるものと業者の選び方
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まとめ
茶入とは、濃茶用の抹茶の粉を入れておく容器で、中国から伝わってきたものです。代表的な茶入は天下三肩衝といわれており、織田信長や豊臣秀吉が求めたとされています。茶入は、形や作られた国によって種類が異なります。
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