茶掛とは?普通の掛け軸との違いや飾る意味などをわかりやすくご紹介

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茶掛とは?普通の掛け軸との違いや飾る意味などをわかりやすくご紹介
茶掛けのメインイメージ

茶掛とは掛け軸の一種であり、日本の伝統的な装飾品です。茶室で楽しむ茶掛には、美しい絵画や文字が描かれています。本記事では茶掛をテーマに、1年を通して飾れる代表的な茶掛や季節を感じられる茶掛について紹介していきます。

【目次】
茶掛とは
 茶掛を飾る理由・意味
 普通の掛け軸との違い
1年間飾ることができる茶掛
 一期一会(いちごいちえ)
 松無古今色(まつにここんのいろなし)
 和敬清寂(わけいせいじゃく)
 日日是好日(にちにちこれこうにち)
 円相(えんそう)
季節に応じて飾る茶掛
 春光日々新(しゅんこうひびあらたなり)
 薫風自南来(くんぷうじなんらい)
 掬水月在手(みずをきくすればつきてにあり)
 歳月不待人(さいげつひとをまたず)
茶掛の選び方
茶掛・掛け軸の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ

 

茶掛とは

茶道のイメージ日本の伝統的な装飾品である茶掛は、掛け軸の一種です。茶室や床の間などに飾られるのが一般的で、美しい絵画や文字で描かれている茶掛が多くあります。
ではなぜ、茶室に茶掛を飾るのでしょうか。本章では、茶掛を飾る理由や普通の掛け軸との違いについて解説します。

 

茶掛を飾る理由・意味

「掛け軸」は、書や東洋の絵を紙や布を使って表装したものです。その中でも、茶室の床の間に飾られるものを「茶掛」と呼びます。「禅語」で書かれることが多く、茶の湯の道具の中で、もっとも格が高いとされているものです。
絵で表現された掛け軸が一般的であるものの、お茶席では言葉で書かれた掛け軸が多く使用されます。言葉の力により、季節感を表現しているのです。
掛け軸には、亭主の思いやりなどが書かれたものもあります。掛け軸を見ることで、亭主の希望や楽しみ方が伝わるのでしょう。戦国時代の茶人である千利休は、その秘伝書『南方録』で「掛物ほど第一の道具はなし」と述べ、掛け軸の重要性を強調しました。茶席において、掛け軸は非常に重要な存在です。

 

普通の掛け軸との違

一般的な掛け軸と違い、茶掛は「禅語」で書き記されている作品が多いです。また、柱幅が狭いという違いもあります。
茶掛けの柱幅は、通常五分(約1.5センチメートル)以下です。
茶掛けは、一般的に宗匠や茶人の書画や画賛、または禅僧の墨跡や水墨画などに使用されることがあります。茶掛けは特別な場での使用に適した装飾品として知られているのです。

 

1年間飾ることができる茶掛

茶掛けを掛ける和室のイメージ茶掛には、季節感や風情を表現するために特定の期間だけ飾るものと、季節に関係なく長く飾ることができる作品があります。
本章では、1年を通して茶室に飾れる茶掛を5つ紹介します。同じ茶掛を長く飾りたい人は、参考にしてください。

 

一期一会(いちごいちえ)

日常で頻繁に使われる言葉「一期一会」は、茶掛でもよく見られるものです。実はこの「一期一会」という言葉自体が、茶道の発祥とされています。
その意味は、ご存知の通り「一生に一度だけの機会」です。一生に一度の貴重な時間であることから、亭主の心遣いとして、丁寧なおもてなしを表現しています。
お茶会でこの掛け軸を見ると、自分が客として歓迎されていることを感じることができるでしょう。亭主のおもてなしの心を知ると同時に、客側にもこの時間を大切にする気持ちを醸成してくれる言葉です。

 

松無古今色(まつにここんのいろなし)

「松無古今色」とは、「松無古今色 竹有上下節」という禅語の一部です。直訳すると「松の緑は古今の色がなく、竹には上下の節がある」となります。
松の緑が変わらないのは、絶え間ない変化があるためで、竹には上下の節があるものの、同じ一本の竹に優劣はないという考えです。この言葉は、物事には多様な側面と違いが存在し、それらを受け入れることが重要であることを表しています。

 

和敬清寂(わけいせいじゃく)

「和敬清寂」とは、茶道の心得を示す言葉であり、千利休の茶道の精神や境地を表すものです。茶席を通じて、亭主と客人が心通わせる様子を表現しています。
この四文字の漢字には、「どのような人とでも和やかに付き合い、お互いを敬い合い、調和を重んじ、心から清らかな態度を持つこと。そうすることで穏やかであり、どのような状況にも動じない心の状態に至る」という意味が集約されています。

 

日日是好日(にちにちこれこうにち

映画のタイトルとしても記憶に新しい「日日是好日」は、「にちにちこれこうじつ」とも読まれます。この言葉には、「毎日が重要である」という意味と、「その日に起こったことの良し悪しに関わらず、その日をそのまま受け入れる良い日とする」という2つの解釈があるのです。
どちらの解釈でも、1日1日を大切にし、真摯に努力することの重要性が説かれています。落ち込んだときには立ち直るきっかけとなり、浮かれているときには気を引き締めるきっかけとなる言葉といえるでしょう。

 

円相(えんそう)

お茶席では、円だけが描かれた掛け軸もあります。一筆で描かれた円の掛け軸に、少し疑問を感じるかもしれません。このようなものは「円相」と呼ばれ、禅の考え方において悟りや宇宙を表現したものです。
始まりも終わりもない円相は、人によって解釈が異なるでしょう。掛け軸の円相は、緊張感をおぼえる方もいれば、すべてが調和している落ち着いた様子を表していると感じる方もいるかもしれません。自分自身の心の状態によって変わる円相面白さを、ぜひ感じてみてください。

 

季節に応じて飾る茶掛

季節に応じた茶掛け次に、季節ごとに飾る茶掛について解説します。茶掛は季節感を表現し、お茶席に華やかさや風情を与えるものです。
それぞれの魅力を本章で解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

春光日々新(しゅんこうひびあらたなり)

「春光日々新」とは、春の風景は日々変化し、新たな日を迎えることを意味する言葉です。春の掛け軸に使われるもので、同じような日々が続くなかで、新たな気持ちを呼び起こしてくれるものとされます。
春の景色は、瞬く間に変わります。お茶席でも花や茶碗などから、季節の移ろいを感じていただける茶掛といえるでしょう。

 

薫風自南来(くんぷうじなんらい)

「薫風自南来」とは、夏によく使われる表現です。南から吹く心地よい風を指し示しますが、「薫風が吹くことで得失や利害、または愛憎が一掃され、こだわりや煩わしさが消え去り、すっきりとした清涼感を得られる」という意味があります。薫風によって心を浄化し、新たな気持ちを得ることの重要性を伝える言葉です。夏にぴったりな言葉なので、ぜひ飾ってみてください。

 

掬水月在手(みずをきくすればつきてにあり)

10月の茶掛として掛けられる「掬水月在手」には、「手の届かない高い場所にある月でも、手の中の水に映る月ならばすくうことができる」という言葉が込められています。
この言葉からは、「何も行動しなければ何も得られない」という意味が読み取れるでしょう。行動を起こすことによってのみ、結果を得られるのです。この茶掛が、1年も後半に差し掛かる季節に、あらためて教訓を思い出すきっかけになるかもしれません。

 

歳月不待人(さいげつひとをまたず)

12月によく使われる「歳月不人待」は、日常生活でもよく耳にする言葉かもしれません。「歳月は人を待ってくれない」という意味ですが、元々の漢詩では「だから今を楽しもう」という意味の言葉が続きます。
今を大切にすることが重要だと再確認したり、年末に差し掛かって未達成なことがないかと自問したりすることもあります。年の瀬に掛けられるからこそ、新たな発見がある言葉と言えるでしょう。

 

茶掛の選び方

茶道の道具茶掛は、描かれている内容によって大きく印象が異なります。ただ単に好きなものを選んで飾るのではなく、季節や部屋の雰囲気に合わせることが重要です。
たとえば、桜や梅が描かれた茶掛は、春の茶席にぴったりでしょう。季節感を掛け軸で表現すれば、茶道をより楽しめます。
茶掛の中には、一年中使用しても違和感がないものもあります。墨で描かれた山水画などは、いつでも掛けられるものです。しかし、仏事にふさわしい掛け軸は茶道では避けるべきでしょう。茶掛を選ぶ際には、目的や季節に適しているかどうかを判断することが重要です。

 

茶掛・掛け軸の買取なら永寿堂にお任せ下さい

茶掛けや掛け軸の買取りは永寿堂へ掛け軸は、最初に日本に広まった時は仏像が描かれ、礼拝のために使われていました。当店では、茶掛を含めた掛け軸の買取にも、随時対応しております。茶掛・掛け軸にまつわる知識を有した鑑定士が在籍しているため、どなたでも安心してご利用いただけるでしょう。
ご自宅に掛け軸が眠っている方は、ぜひ掛け軸買取店である永寿堂へお問い合わせください。

 

骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先

・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp

 

まとめ

茶掛けのまとめイメージ茶室を華やかに演出する茶掛には、1年を通して飾れるものと季節感あふれる掛け軸の2種類があります。前者の代表的な作品は「一期一会」「松無古今色」「和敬清寂」など、後者の代表的な茶掛は「春光日々新」「薫風自南来」などです。
またすでにご自宅に掛け軸があり、買取を希望されている方は、ぜひ永寿堂の利用をご検討してください。

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