火鉢は、炭火の遠赤外線効果で体の芯から温めてくれる暖房具です。有名作家のものや美術品として価値の高い火鉢などは、高価買取になる場合があります。火鉢の処分を検討しているならば、買取も選択のひとつです。今回は、火鉢の処分方法や高価査定を受けるポイントを解説します。
【目次】
火鉢とは
火鉢の使われ方
火鉢の歴史
火鉢を処分する3つの方法
1.ゴミとして処分する
2.ほかの家具としてリメイクする
3.買取業者で買い取ってもらう
火鉢の買取相場一覧
高級な木材を使用した火鉢の相場
有名作家が手がけた火鉢の相場
芸術性・審美性の高い火鉢の相場
引き出し付きの袖机がセットの火鉢の相場
伊万里焼が施された火鉢の相場
独楽塗が施されれ多火鉢の相場
火鉢を高く買い取ってもらう3つのポイント
1.希少な素材が使われているか確認する
2.火箸や共箱など付属品と一緒に査定に出す
3.火鉢内の灰を処分するかは買取業者に相談する
火鉢の買い取りなら永寿堂にお任せください
まとめ
火鉢とは
火鉢は、炭火の遠赤外線効果で近くにいる人を体の芯から温める、日本古来の暖房具です。一般的に普及したのは鎌倉時代から江戸時代のあいだで、昭和の時代まで冬の暖房器具として愛用されてきました。ここでは、当時の火鉢の使われ方や歴史について詳しく解説します。
火鉢の使われ方
火鉢は、炭火の燃焼で周りを暖める日本古来の暖房器具です。現在はあまり使われていませんが、昭和時代までは冬の暖房器具として愛用されてきました。また、火鉢は暖房器具としてだけではなく、煙が出にくい餅や干し芋などを焼くなど、調理器具として使用する家庭も多かったようです。火鉢は、器に入れた灰の上で炭を燃やして火をおこします。
火鉢の歴史
平安時代に清少納言が執筆した枕草子の一節に、火桶(ひおけ)や炭櫃(すびつ)などの言葉が出てきます。ここでいう火桶や炭櫃とは、火鉢のことです。枕草子の一節にこれらの言葉があることから、火鉢の歴史は奈良時代から始まったと考えられています。庶民に普及したのは鎌倉時代から江戸時代にかけてで、一般庶民の間では長火鉢(ながひばち)が使われていたようです。
長火鉢は、食卓や暖房器具、収納家具としての機能を併せ持ち、一般家庭の居間には欠かせないものでした。明治時代に入ると炭焼きの技術が普及し、各家庭における火鉢の使用率がさらに上昇したようです。しかし、昭和の時代に石油ストーブが登場したため、一般家庭で火鉢が使われることがなくなりました。
火鉢を処分する3つの方法
火鉢を処分する方法には、次のようなものが挙げられます。
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ゴミとして処分する
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ほかの家具としてリメイクする
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買取業者で買い取ってもらう
それぞれの方法について詳しく解説します。
1.ゴミとして処分する
火鉢を使用する予定がない場合は、ゴミとして処分する方法があります。火鉢は、不燃ゴミとして出せるため処分が簡単です。ただし、30cmを超える火鉢は、粗大ゴミとして処分しなければいけません。火鉢を粗大ゴミとして出すときは、粗大ごみ受付センターへの事前申し込みが必要です。粗大ゴミの申し込みは、電話またはインターネットからおこなえます。
2.ほかの家具としてリメイクする
火鉢をゴミとして処分することに気が引ける場合は、ほかの家具にリメイクして転用する方法があります。たとえば、一般家庭で広く使われてきた長火鉢の場合、炉の部分にガラス板やトレイを置いて蓋をすれば、ローテーブルとして使用することが可能です。
陶器製の火鉢の場合は、金魚鉢や蓮鉢、傘立てなどにリメイクして使用できます。ただし、火鉢は水を入れることを前提に作られていないため、水漏れを起こすことも多いです。とくに古い火鉢は、ひび割れや欠けから水漏れが起きる場合があります。水漏れが心配なときは、火鉢の底に園芸用の皿を敷きましょう。
3.買取業者で買い取ってもらう
火鉢の処分方法として、買取業者に出すのもひとつの選択です。残念ながら、火鉢は骨董市場における需要があまり高くありません。しかし、一部のレトロ愛好家やコレクターに根強い人気があるのは事実です。買取業者に出せば、火鉢を大事に使用してくれる第三者に譲れます。
また、素材や作家によっては高額査定を受ける可能性も高いです。近年は、査定出張サービスを提供する業者も多いため、重量感のある大きいサイズの火鉢でも気軽に相談できます。ただし、目立つひび割れや欠けがある場合、買取を断られるケースがあるため注意してください。
火鉢の買取相場一覧
火鉢の買取価格は、素材や作家、美術的価値などで金額が変わることが多いです。ここでは、以下の特徴がある火鉢の買取相場をまとめました。
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高級な木材を使用した火鉢
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有名作家が手がけた火鉢
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芸術性・審美性の高い火鉢
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引き出し付きの袖机がセットの火鉢
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伊万里焼が施された火鉢
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独楽塗が施された火鉢
それぞれの買取相場について詳しく解説します。
高級な木材を使用した火鉢の相場
欅(けやき)や紫檀(したん)などの高級材を使用した火鉢は、骨董品としての価値があります。日本の高級材として代表的な欅は、古くから建築物で使用されてきました。木目が美しく鑑賞価値が高いほか、堅い材質で摩擦に強い特徴があります。
紫檀は流通量が少なく、希少価値の高い高級木材です。将来的に枯渇するといわれ、輸出制限をかける原産国もあります。心材は堅く紅色で、磨くと光沢が出て重厚感のある雰囲気に仕上がるのが特徴です。これらの高級木材を使用した火鉢の買取相場は、4万~8万円が目安になります。高額査定を受けるのは、丁寧に作られたものが多くて状態がしっかりしているためです。
有名作家が手がけた火鉢の相場
有名作家が製作した火鉢は、骨董品として高い価値があります。たとえば、昭和に活躍した陶芸家の濱田庄司氏が手がけた火鉢は、7万~12万円での買取が期待できるでしょう。高額買取されるのは、益子焼初の人間国宝に認定された陶芸家であることも影響しています。
濱田庄司氏の火鉢は、ストーブが普及した昭和の時代に作られており、大量生産されていません。大量生産されていない作品ほど希少価値が高くなるため、高額査定が期待できます。濱田庄司氏が手がけた作品は、状態もよく高額買取になることが多いです。
中川浄益氏が手がけた作品は、5万〜10万円の買取価格が期待できます。中川浄益氏は10代浄益の長男として生まれ、1941年に襲名した金物師です。元々越後で武具を製作していましたが、千利休の依頼をきっかけに茶道具を作り始め、その後好んで鉄製の火鉢を作りました。
中川浄益氏が製作した火鉢は数が少ないため、希少価値が高くて高額査定につながる場合が多いです。ほかにも、九谷焼の最高峰の作家として評価された初代徳田八十吉氏や、僧侶でありながら陶芸や書画の分野で活躍した清水公照氏の作品も高額買取が期待できます。
芸術性・審美性の高い火鉢の相場
螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)など美術的価値が高い火鉢は、高額買取が期待できます。螺鈿とは、貝類を彫刻して漆地や木地などにはめ込む技法のことです。「螺」は巻き貝を指し、「鈿」には飾るという意味があります。宝石のような貝の輝きと漆の色の組み合わせが魅力です。1,300年ほど前に中国大陸から日本に伝わり、正倉院の宝物にも見られています。
蒔絵は、漆工芸の代表的な加飾技法のことです。漆が固まらないうちに、金や銀などの金属粉をまいて、表面に付着させて装飾をおこないます。華やかで高級感のある見た目に仕上がるのが特徴です。日本独自に発達した漆芸で、起源は奈良時代といわれています。
螺鈿や蒔絵などが装飾された火鉢は、富裕層向けに作られた作品です。作品を手がけたのが一流作家であることが多いため、高額査定が期待できます。作家や保存状態にもよりますが、美術的価値が高い火鉢は10万円程度での買取価格になることが多いです。
引き出し付きの袖机がセットの火鉢の相場
江戸時代に入ると、火鉢は茶道具などとセットで使われることが多くなります。江戸火鉢(別名は長火鉢)と呼ばれるもので、江戸時代には各家庭に必ず置いてありました。
本来、火鉢は暖房器具として使用するものです。江戸火鉢の上部脇に付いている引き出しには、炭火の熱があたって乾燥しやすいといった特徴があります。その特性を活かして、湿気対策として江戸火鉢の引き出しに海苔やお茶を入れていた方も多いようです。
また、浮世絵などが描かれたものも多く残されており、骨董品市場で購入した火鉢をインテリアとして飾るお客様もいます。江戸火鉢の買取相場は、3万~15万円が目安です。高級素材の使用やインテリアとしての価値などから、高額査定がつく場合があります。
伊万里焼が施された火鉢の相場
伊万里焼は、1700年頃に佐賀県伊万里市で初めて作られた陶器を指します。透き通るように白い磁肌に、藍色の顔料で描いた染付け、ガラス質の上絵具を使用した華やかな赤絵が魅力です。伊万里焼は耐久性が高く、普段使いの食器から美術品までさまざまな分野で使われています。日本国内だけではなく、海外市場でも伊万里焼特有の色絵付けの人気が高いです。
著名な博物館に多くの作品が収蔵されており、火鉢においても高額査定が期待できます。伊万里焼が施された火鉢の買取相場は、1万~1万5,000円が目安です。なかでも、朝鮮技法が多く使われる火鉢は中国の富裕層から人気が高く、さらに査定が高額になる場合があります。
独楽塗が施されれ多火鉢の相場
独楽塗(こまぬり)は漆工芸の一種で、同心円文様を朱や黄などの色漆で塗り分けたものです。くるくる回る独楽は「運気がまわる」といわれて縁起が良く、その彩が美しいこともあり、骨董市場でも人気の高い柄になります。
独楽塗は、江戸時代頃から作り始められ、庶民の間で流行しました。独楽塗は伝統工芸品としての付加価値がつくうえに、見た目も美しいことから高価買取になるケースが多いです。小さな火鉢であっても、1万~2万円前後の買取相場が期待できます。
火鉢を高く買い取ってもらう3つのポイント
火鉢で高価買取を狙う場合、次のようなポイントを意識しましょう。
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希少な素材が使われているか確認する
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火箸や共箱など付属品と一緒に査定に出す
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火鉢内の灰を処分するかは買取業者に相談する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.希少な素材が使われているか確認する
珊瑚や象牙など希少な素材が使われている火鉢は、買取価格が高くなることがあります。また、高級木材である欅や紫檀も骨董品として価値があるため、高額査定を受けやすいです。火鉢に価値があるのかどうかを知りたい場合は、使用されている素材を確認してみましょう。ただし、希少な素材が使われている火鉢でもひび割れや欠けがある場合には、買取を断られるケースがあります。
2.火箸や共箱など付属品と一緒に査定に出す
火鉢を査定に出すときは、火箸や共箱などの付属品を揃えましょう。多くの買取業者は、付属品の価値もしっかり確認して査定します。一般的に、火箸や共箱などの付属品があると高く査定されやすいです。
有名作家の作品でもあえて銘を入れていない方もいます。共箱があれば有名作家の作品であることを証明できるため、高額査定を受けられる可能性が高いです。
3.火鉢内の灰を処分するかは買取業者に相談する
長年使用していない火鉢を見つけたとき、灰が残った状態である場合も多いです。きれいに掃除してから買取業者に査定してもらうのがよい、と考える方もいるかもしれません。ただし、価値の高い火鉢は、掃除せずに買取に出したほうがよい場合があります。
あえて灰が残った状態で査定に出すのは、火鉢の掃除をしすぎて破損する場合があるためです。価値のある火鉢でもひび割れや欠けなどが見つかると、買取を断られる可能性もあります。火鉢に灰が残っている場合は、まず買取業者に相談して適切な対応を確認しましょう。
火鉢の買い取りなら永寿堂にお任せください
永寿堂は多種多様な骨董品の買取実績があり、業界トップクラスの高価買取を実現しています。とくに、高級素材が使われていたり有名作家が手がけていたりする火鉢は、高価格での査定が可能です。買取方法は、店頭買取や出張買取、宅配買取からお選びいただけます。火鉢の買取りについてはコチラの記事もご参考下さい。
火鉢は買取りできる?高価買取の火鉢をご紹介|火鉢買取りは永寿堂へ
※ただし買取りできない火鉢が多く有る事もご理解下さい。
また、火鉢以外でも買取のご相談が可能です。お手元に買取を検討する火鉢や骨董品をお持ちの方は、一度当店にご相談ください。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
火鉢は、昭和の時代まで冬の暖房器具として使用されてきました。骨董市場において火鉢の需要はあまり高くありませんが、実際に鑑定すると高額査定となる場合があります。とくに、高級木材を使用した火鉢や有名作家が手がけた作品は、高額での買取が可能な場合が多いです。買取を検討する火鉢をお持ちの場合は、プロの鑑定士の査定を受けてみてはいかがでしょうか。
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