香炉(こうろ)は古くから中国で製造されていた、仏前に置く小さな三具足(さんぐそく)の仏具のことです。日本には仏教とともに伝来し、やがて床の間の置物飾りや茶道具としても使われてきました。今回は、香炉の買取相場や高価買取が見込める有名作家、査定ポイントについて解説します。
【目次】
そもそも香炉とは?
香炉が使われるシーン
香炉の種類
香炉の歴史
香炉の買取相場は?
高額買取してもらいやすい香炉作家は?
板谷波山
三浦竹泉
諏訪蘇山
酒井田柿右衛門
香炉を買取してもらう時の査定ポイント4つ
1.古い時代に作られているか
2.共箱(保管箱)などの付属品が揃っているか
3.有名な作家の作品か
4.希少な素材で作られているか
香炉の買取業者を選ぶ3つのポイント
1.査定や出張などの手数料が無料か
2.香炉の買取実績が豊富か
3.査定者が香炉や茶道具について深い知識があるか
香炉の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
そもそも香炉とは?
香炉とは、古くから中国で製造されていた仏前に置く小さな三具足の仏具のことです。香炉への理解を深めるには、現代に至るまでの歴史や種類をはじめ、当時どのように使われていたのかを知っておくべきでしょう。ここでは、香炉の概要について詳しく解説します。
香炉が使われるシーン
香炉で焚く線香やお香の香りには、本来空間を浄化して人を清める意味合いがありました。香りを備える香炉は、燭を供える「燭台(しょくだい)」や華を供える「華瓶(けびょう)」と合わせて、仏壇に祀る三具足のひとつとされています。香炉は仏具として使用されていましたが、茶道具や床の間の置物飾りにも用いられるようになりました。
香炉の種類
香炉の種類には、次のようなものがあります。
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置香炉(おきこうろ)
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吊香炉(つりこうろ)
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柄香炉(えごうろ)
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袖香炉(そでごうろ)
置香炉
床の間や卓上に置いて使用する香炉です。仏具として使用する香炉には、仏壇に熱が伝わらないように底に足が付いています。
吊香炉
紐や鎖で吊り下げて使用する香炉です。空間に香りを漂わせる空薫(そらだき)で、香りを薫らします。玄関や床の間に吊るして使うのが一般的です。
柄香炉
柄が付いた香炉です。法要や儀式の際に柄を持ち、振りながら使用します。多くは真鍮(しんちゅう)製で、美しい細工が施されているのが特徴です。
袖香炉
着物の袖に入れて香を焚き染める香炉です。香炉の中に球形の薫炉(くんろ)をつけて、火炉が絶えず水平に保たれるように作られているものもあります。
香炉以外の中国の焼き物について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してください。
香炉の歴史
香炉は、仏教とともに日本に伝来しています。元々は仏具として使用されており、空間を浄化して人を清める意味合いがありました。しかし、平安時代に入ると、空間を浄化する本来の意味合いとは切り離され、純粋に香りを楽しむ文化が生まれています。
鎌倉時代になると、香木の香りを味わう「聞香(もんこう)」が確立され、室町時代には香りを鑑賞する「香道(こうどう)」が発展しました。やがて江戸時代に入り、武家の茶道が発達すると大名たちの茶道具として、明治維新には床の間の置物飾りとして使用されています。
香炉の買取相場は?
香炉の買取平均相場は数千円~7万円程度で、買取価格に幅があるのは香炉の素材や状態、付属品の有無によって価値が大きく変わるためです。とくに、有名作家の作品は高く売れる傾向にあり、10万円を超える査定を受けられる香炉もあります。
高額買取してもらいやすい香炉作家は?
高額買取が見込まれる香炉作家には、次のような人物が挙げられます。
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板谷波山(いたやはざん)
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三浦竹泉(みうらちくせん)
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諏訪蘇山(すわそざん)
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酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)
それぞれの作家について詳しく解説します。
板谷波山
1872年に茨城県に生まれた板谷波山は、戦前から戦後にかけて活躍した陶芸作家です。1960年には重要無形文化財(人間国宝)に選ばれ、近代陶芸のパイオニア的存在として知られています。過去に彫刻を学んでいた経験があり、陶磁器に描かれたデザインは写実性が高いのが特徴です。作品によっては、10万円〜100万円の高額査定を受けることがあります。
三浦竹泉
1854年に京都に生まれた三浦竹泉は、茶道具や煎茶道具にはなくてならない茶陶の名手として活躍した作家です。ヨーロッパに伝わる伝統的な色彩を、日本の磁器に応用して京焼の息吹を吹き込んだ作品を手がけ、世界中から高い評価を得ています。とくに、万国博覧会で高い評価を得た金襴手(きんらんで)や祥瑞(しょうずい)は、高価買取が見込めるでしょう。
諏訪蘇山
1851年に石川県に生まれた諏訪蘇山は、明治から大正にかけて活動した陶芸作家です。1917年には人間国宝の前身となる帝室技芸員に任命され、陶磁分野で高い評価を得ています。諏訪蘇山の作域は広く陶磁全般に及びますが、なかでも高く評価された作品は「青磁の蘇山」です。買取価格は作品によって変わりますが、10万円を超えるものもあります。
酒井田柿右衛門
酒井田柿右衛門は、有田焼の陶芸家が代々襲名する名称です。1934年に佐賀県で生まれた14代酒井田柿右衛門は、重要無形文化財(人間国宝)に認定されています。白い磁器の地肌に赤を中心とした鮮やかな色絵を描く、有田焼の代表「柿右衛門様式」の伝承者です。作品の買取価格は何代目の作品か、証明書の有無で大きく変わります。
香炉を買取してもらう時の査定ポイント4つ
香炉の査定ポイントには、次のようなものが挙げられます。
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古い時代に作られているか
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共箱(保管箱)などの付属品が揃っているか
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有名な作家の作品か
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希少な素材で作られているか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.古い時代に作られているか
年代が古い香炉ほど査定評価が高くなります。高価買取を狙うなら、査定前に香炉や箱に元号や制作年が記されているかどうかを確認しましょう。制作年が不明でも買取専門業者は外観を観察しながら査定し、総合的に製造された年代を判断します。骨董価値があると判断されると買取価格が高くなるため、年代が不明なときは買取専門業者に相談するのがおすすめです。
2.共箱(保管箱)などの付属品が揃っているか
高価な香炉は、鑑定書や共箱と呼ばれる箱に保管されていることが多いです。高価買取を狙いたいなら、付属品の有無を確認しましょう。ただし、古くから自宅に保管していた場合は付属品が揃わないこともあります。鑑定書や共箱などの付属品がないからといって、査定を受けられないわけではありません。香炉の価値を知りたいなら、一度査定に出してみるのがおすすめです。
3.有名な作家の作品か
高い評価を受ける陶芸家や彫刻家など有名作家の作品は、高価買取が期待できます。査定時に確認するのは、落款(陶印)や共箱に記載されたサイン書きです。落款とは作家の署名と捺印を押すことで、優れた作品であるほど名前が入れられています。古い作品では落款が確認できない可能性もありますが、価値があると判断されると高い査定額を受けられます。
4.希少な素材で作られているか
高い評価を得る香炉は、希少な素材で作られていることが多いです。たとえば、金や銀などの希少金属をはじめ、サンゴや翡翠(ひすい)、象牙(ぞうげ)などで作られた香炉は高く評価される傾向があります。希少な素材が高く評価されるのは、誰にでも挑戦できるものではないためです。保存状態にもよりますが、芸術性や完成度が高ければ高価買取が期待できます。
香炉の買取業者を選ぶ3つのポイント
香炉の買取業者を選ぶポイントには、次のようなものが挙げられます。
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査定や出張などの手数料が無料か
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香炉の買取実績が豊富か
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査定者が香炉や茶道具について深い知識があるか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.査定や出張などの手数料が無料か
優良な買取業者は、買取実績と信頼によって多くの取引をおこなえるため、顧客から査定や出張の手数料を取らなくても順当な利益を生み出せます。査定や出張に無料で対応してくれる買取業者は、それだけ信頼できる業者の証ともいえるでしょう。信頼できる買取業者を選びたいなら、査定や出張などの手数料がかからない業者を選ぶのがおすすめです。
2.香炉の買取実績が豊富か
買取業者を選ぶときは、香炉の買取実績を確認しましょう。豊富な買取実績のある買取業者は、それだけ顧客から信頼を得ている証拠です。また多くの骨董品に直接触れて鑑定してきた裏付けでもあるため、正当に評価してもらえる可能性があります。鑑定士や鑑定歴の情報にしっかりと目を通し、どのような買取実績があるのかを確認しましょう。
3.査定者が香炉や茶道具について深い知識があるか
香炉は小さな作品でも買取価格が高く、高価買取が期待できます。しかし、作品を鑑定する査定者に深い知識がないと、正しく評価してもらえないかもしれません。香炉を査定に出すときは、経験豊富な目利き鑑定士に見積もりを依頼することが大切です。鑑定結果に不満がある場合は、複数の買取業者に査定を依頼して総合的に判断しましょう。
香炉の買取なら永寿堂にお任せ下さい
永寿堂では骨董品の買取りを専門に行っており骨董品の豊富な買取実績があり、業界トップクラスの高価買取を実現しています。とくに、有名作家の作品や希少な素材で作られた作品は、高価格での査定が可能です。買取方法は、店頭買取や出張買取、宅配買取からお選びいただけます。
当店では骨董品以外の品でも買取りのご相談が可能です。お手元に買取を検討する香炉などをお持ちの方は、一度当店にご相談ください。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
古くから中国で製造されてきた香炉は、仏具として使用されていましたが、やがて茶道具や床の間の置物飾りにも用いられるようになりました。とくに、有名作家の作品は高く売れる傾向があり、10万円を超える査定を受けられる香炉もあります。買取を検討する香炉をお持ちの方は、一度プロ鑑定士の査定を受けてみてはいかがでしょうか。
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