菓子器の買取相場は、作品の年代や作家によって異なります。保存状態の良い人間国宝作の菓子器は、高額査定も期待できる品です。
今回は、菓子器の買取相場や査定のポイントなどについて解説します。業者選びのポイントも紹介するので、処分したい菓子器がある場合はぜひ参考にしてください。
【目次】
そもそも菓子器とは?
菓子器の主な役割
菓子器の主な種類
菓子器の歴史
菓子器に関する人間国宝
宮川香山(真葛香山)
井上萬ニ
川北良造
黒田辰秋
菓子器の買取相場は?
菓子器を高く買取してもらうための査定ポイント4つ
1.より古い時代のものか
2.共箱や共布などが揃っているか
3.有名な作家に作られているか
4.ヒビや欠けがなく良い保存状態か
菓子器の買取業者を選ぶ4つのポイント
1.評判が悪くないか
2.買取方法を選ぶことができるか
3.鑑定者が菓子器や茶道具について知識が豊富か
4.無料で出張や査定をしてくれるか
菓子器の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
そもそも菓子器とは?
菓子器とは、お菓子を盛り付ける器のことです。主に、客に抹茶を振る舞う茶会で用いられます。
菓子器の種類は、盛り付ける和菓子の種類によって異なります。まずは、菓子器の役割や種類、歴史についてみていきましょう。
菓子器の主な役割
前述したように、菓子器は和菓子を盛り付けるために用いられる器です。茶会では、抹茶を点てる前後に菓子器に盛られた和菓子が振る舞われます。
茶会では、床の掛け軸や花、茶碗などの道具1つひとつに亭主のもてなしの心が込められています。季節感を伝える和菓子もそのひとつです。
次で紹介するように、菓子器にはさまざまな種類があります。茶会では、菓子器と和菓子の取り合わせにも、亭主のもてなしの心を垣間見ることができるでしょう。
菓子器の主な種類
菓子器の種類は、饅頭や団子などを盛る「主菓子器(おもがしき)」と、落雁などを盛る「干菓子器(ひがしき)」の大きく2つにわかれます。
主菓子器には、以下のような種類があります。
-
菓子椀
-
菓子鉢
-
銘々盆(銘々皿)
-
縁高(ふちだか)
-
食籠(じきろう)
代表的な主菓子器のひとつが、重箱のような形をした「縁高(ふちだか)」と呼ばれるものです。縁高は、懐石の一部として客人1人につき1段ずつ振る舞われます。
干菓子器の主な種類は、以下の3つです。
-
盆
-
高杯(たかつき)
-
振出(ふりだし)
盆は縁が浅く、高杯には脚がついています。小さな口の付いた振出も干菓子器の一種です。金平糖などを入れ、茶箱(ちゃばこ)と呼ばれる茶道具一式を入れる箱に詰めて用いられます。
菓子器の歴史
菓子器の種類は、歴史と共に変化を遂げています。侘び茶が大成された桃山時代は、漆器や木地の縁高、食籠などが主流でした。
江戸中期になると、陶磁器製の鉢が菓子鉢として用いられ始めます。陶磁器製の菓子鉢は、明治時以降の和菓子店の増加と共に、世間に普及していきました。
その他、中国からの渡来品、茶人の好みにあわせて設えた品など、歴史のなかで登場する菓子器にはさまざまなものがあります。時代や作家によっては、高い価値を有することもあるでしょう。
菓子器に関する人間国宝
菓子器制作を手掛ける作家のなかでも、類まれな技術を有する人物は「人間国宝」に認定されています。ここでは、作品の高価買取が期待できる、人間国宝に認定された作家たちを紹介します。
宮川香山(真葛香山)
宮川香山は明治から大正にかけて活躍した作家です。1842年(天保13年)に京都真葛ヶ原に誕生し、真葛焼(まくずやき)の初代として銘品を世に送り出しました。
代表作のひとつが、芙蓉の表情を乾山風にデフォルメ化した「乾山写芙蓉之畫菓子器」です。
香山死後、眞葛焼は3代まで引き継がれましたが、1945年(昭和20年)の横浜大空襲により壊滅的な被害に見舞われました。4代が復興を図るも蔵は閉鎖したことから、真葛焼は「幻のやきもの」と呼ばれています。
井上萬ニ
井上萬ニは焼き物の町、佐賀県有田町生まれの陶芸家です。14代酒井田柿右衛門、奥川忠右衛門らに師事し、白磁制作の技法を習得しました。
作品の評価は海外でも高く、過去にはドイツやハンガリーなどで個展を開催しています。「白磁笹彫文菓子鉢」をはじめとする、菓子器の作品も豊富です。客人1人ひとりに菓子を振る舞う、銘々皿の制作も手掛けています。
川北良造
川北良造は石川県を中心に活躍する木工芸家です。1994年(平成6年)に、木工芸の人間国宝として認定されました。
代表作のひとつとして挙げられるのが「水目桜造鉢 金波銀波」です。下部には山中木地挽きの加飾技法により、金波を表す文様が付けられています。その他、盆や高台などの作品も豊富です。
黒田辰秋
黒田辰秋は京都出身の漆芸家であり木工家です。「拭漆欅八角重菓子器」をはじめ、棗(なつめ)や水指(みずさし)など、さまざまな茶道具の制作を手掛けています。
柳宗悦や河井寛次郎といった民藝運動家との交流も広く、1930年(昭和5年)には柳宗悦のための書斎机を制作しました。その後は日本伝統工芸の鑑査委員となり、1970年(昭和45年)に人間国宝に認定されています。
菓子器の買取相場は?
菓子器の買取相場は、制作された年代や作家により異なります。例えば、真葛香山作の染付菓子鉢の買取相場は、30,000円~75,000円です。
人間国宝が手がけた作品は高額査定の傾向にあり、なかには約70万円で取引された品もあります。傷や欠けの有無など、保存状態も価格に大きく影響するでしょう。
菓子器を高く買取してもらうための査定ポイント4つ
菓子器を高く買取してもらうための査定ポイントは、以下の4つです。
-
より古い時代のものか
-
共箱や共布などが揃っているか
-
有名な作家に作られているか
-
ヒビや欠けがなく良い保存状態か
これらの条件が揃っているほど、買取時は高値が期待できます。手元に買取に出したい菓子器があるときは、ぜひチェックしてみてください。
1.より古い時代のものか
菓子器は、より古い時代のものであるほど高値で取引される傾向にあります。前述したような人間国宝の作品も、年代が古いほど価値があると判断されるでしょう。自分では制作時期がわからない場合は、専門知識を有する業者への査定依頼をおすすめします。
2.共箱や共布などが揃っているか
菓子器に共箱や共布がついている場合は、揃えて査定に出しましょう。共箱とは、作者の署名捺印が確認できる箱のことです。一般的に、共箱と共布はセットになっています。これらがあれば菓子器の価値を証明できるため、捨てずに大切に保管してください。
3.有名な作家に作られているか
菓子器は、有名作家の作品であるほど高額査定が期待できます。前述したような人間国宝の作家はもちろん、世の中でその名が知られている作家の品であるほど高く評価されるでしょう。
4.ヒビや欠けがなく良い保存状態か
菓子器を査定するうえで、保存状態は重要なポイントです。同じ年代、同じ作家の菓子器であってもヒビや欠けのないものであるほど高く評価されます。買取に出したい菓子器が手元にあるときは、破損しないよう気を付けて保管しましょう。
菓子器の買取業者を選ぶ4つのポイント
菓子器の買取業者を選ぶ際のポイントは、以下の4つです。
-
評判が悪くないか
-
買取方法を選ぶことができるか
-
鑑定者が菓子器や茶道具について知識が豊富か
-
無料で出張や査定をしてくれるか
これらのポイントに留意すれば、なるべく満足いく価格、方法で大切な菓子器を手放すことができます。
1.評判が悪くないか
買取業者を選ぶ際は、口コミなどで評判をチェックしておきましょう。評判が良い業者であるほど安心して利用できます。より確かな情報を得るためにも、口コミとあわせ業者の公式サイトを確認しておくのがおすすめです。
2.買取方法を選ぶことができるか
遠方で店舗に足を運べない場合は、買取方法が選べると便利です。買取方法には、品物を直接持ち込む方法のほか、出張買取や宅配買取などがあります。これらの方法を選択できれば、まとめて処分したい品があるときも、持ち運びの負担を軽減できます。
3.鑑定者が菓子器や茶道具について知識が豊富か
菓子器の査定には、豊富な知識が必要です。知識があれば、菓子器が作られた年代や作家に関する情報を踏まえた上で、確かな価値を判断できます。
業者の知識は、公式サイトなどで確認するのがおすすめです。過去に菓子器や茶道具の買取実績があれば、より安心して利用できます。
4.無料で出張や査定をしてくれるか
よりお得に業者を利用したいときは、無料出張や無料査定の有無も重要なポイントです。無料であれば、費用を気にすることなく複数の業者を比較検討できます。後から費用を請求されることのないよう、出張費や査定費は事前にしっかり確認しておきましょう。ただしご内容により出張査定が難しい場合もある事もございます。
菓子器の買取なら永寿堂にお任せ下さい
菓子器の買取は「永寿堂」におまかせください。有名な作者が作った大切な菓子器であれば1つひとつ丁寧に査定します。
菓子器をはじめ、茶碗や棗などの買取も可能です。茶道具をまとめて査定に出したいときも、ぜひ茶道具の買取り店である永寿堂にご相談ください。
買取実績も豊富で、店頭買取や出張買取、宅配買取とご希望の買取方法をお選びいただけます。宅配買取は、送料着払いでお送りいただければ査定・買取が可能です。全国どこからのご依頼にも対応しております。
大切な菓子器の査定や売却、処分をご希望の方は、お気軽に当店までご連絡ください。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
菓子器は、茶席に欠かせない茶道具のひとつです。種類はさまざまで、価値は年代や作家により異なります。買取に出すのであれば、保存状態も重要なポイントのひとつです。
菓子器を買取に出したいときは、信頼できる業者への査定依頼を検討してください。茶道具の知識を有する業者であれば、不要な茶道具などもまとめて処分できます。大切な菓子器も納得いく価格で手放すことができるでしょう。
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