家が空き家となった際には、仏壇を含む「仏具」の整理に悩むことがあるかもしれません。仏具を手放すことに躊躇する方もいるかもしれませんが、買取やお寺へ持っていくなど、正しく処分すれば問題ありません。本記事では仏具を売却したい方へ向けて、その方法を解説します。
【目次】
買取してもらいやすい仏具の買取相場
仏像
香炉
花立
掛け軸
仏壇を買取することはできるのか
一般的な仏壇の買取は難しい
仏壇を処分する際の開眼供養の方法や流れ
仏具を高く買取してもらうための4つのポイント
1.付属品とともに査定に出す
2.仏具が複数あればまとめて査定に出す
3.保管状態や方法を確認する
4.きれいに掃除してから査定に出す
仏具を買取に出す際の注意点4つ
1.メッキ品は買取できない場合もある
2.査定前に作者名や購入時期などを確認する
3.家族やお寺などに相談をする
4.査定に出す前に引き出しを確認する
買取できなかった仏具・仏壇を処分する4つの方法
1.買い替える場合は下取りする
2.自治体に粗大ゴミとして処分してもらう
3.お寺に引き取ってもらう
4.買取業者や仏壇仏具店に処分してもらう
仏具の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
買取してもらいやすい仏具の買取相場
仏具には、金や銀、そしてプラチナが用いられていることも多くあります。希少な貴金属としての価値を有しているため、仏具によっては高額で取引される可能性があるでしょう。使い込んでいるためにくすんでしまっている仏具でも、磨いてみると金や銀の使用が判明することもあります。処分する前に、一度査定を受けてみると良いでしょう。
仏具は、品物によってその価値が大きく異なるものです。以下では、一般的な指針として、本章にて買取してもらいやすい仏具の相場価格を解説していきます。
仏像
仏像は、仏壇の中心的な存在とされている本尊です。左右に配される仏像は、脇仏と称されます。これらは主に宗派や創設者、影響力のある僧侶を表す場合が多く、材質に応じて買取価格も異なります。
あらゆる宗派に関係なく、仏像は高価な買取が期待できるアイテムです。古い仏像や作家物の仏像の買取相場は、おおよそ5,000〜5万円です。
貴金属が使われている仏像は、高額買取が期待できるかもしれません。また、木製の仏像には、古美術品として価値が期待できます。しかし仏像は、査定額にばらつきが出やすい部類に入るため、古美術や骨董品に特化した専門店に依頼するのがおすすめ。他にも貴金属に特化した専門店においても、査定を受けられるためおすすめです。
香炉
香炉(こうろ)とは、お香や抹香を焚く際の置物のことです。仏教用具として使われる香炉には金・銀・真鍮のものもあり、高価な買取額が期待されます。ちなみに希少な素材や作家物の香炉の買取相場は、おおよそ8,000〜1万2,000円です。
多様な種類がある香炉は、仏具だけに限りません。また中古市場においても、比較的需要が高く人気のあるアイテムです。香炉を含む仏具は、美術工芸品や古美術品としても評価されることが一般的ですが、とくに古い香炉の中には歴史的な価値を持つものも存在します。
買取価格には商品の状態が大きな影響を及ぼすため、売却する際にはきれいな状態に保つよう心がけましょう。強い力で磨いてしまうと微細な傷がつく可能性があり、価値が低下することもあります。香炉は、慎重に取り扱うことが大切です。
花立
花立とは、お仏壇に花を彩る際に使用される花器を指します。かつては、陶器や銅などで作られることもありましたが、アルミニウム・ステンレス・真鍮製のものが一般的です。花立の買取相場は、おおよそ500円~2万円ほどです。
純金や純銀でできたものは、数十万円にもなることがあります。とくに対で揃っている花立は需要が高く、細やかな装飾が施されているタイプも人気を集めています。
掛け軸
仏壇の奥に掛かっている掛け軸も、売却する際には思いがけないほどの高値になる可能性が考えられます。掛け軸の売却相場は、100円〜1万円ほどです。
掛け軸は、近年ではやや価値が低下している傾向ですが、古美術品としてはなおも高い需要があります。とくに作家や入手先が明確なものは、価値が高くなることがあるでしょう。また元の箱や入れ物がある場合は、証明として役立つため、同時に査定に提出することをおすすめします。
仏壇を買取することはできるのか
仏具と聞いて、まず思い浮かべるのは「仏壇」かもしれません。仏像や掛け軸とは異なり、仏壇を買い取ってもらえるのか、心配に思い方もいるでしょう。また「仏壇を中古で購入する人は少ないのでは?」といった危惧もあるかもしれません。
本章では、仏壇を買取してもらうことはできるのか、処分する時にはどのような手順で進めれば良いのか解説していきます。
一般的な仏壇の買取は難しい
残念ながら、中古の仏壇を購入して使用する方はほとんどいません。仏壇として数十万円程度で購入された仏壇は、買取が難しいといえるでしょう。傷がなく新品同様の状態であれば、買取可能な場合もありますが、買取価格には期待できません。処分にかかる費用の方が、買取価格よりも多く請求されてしまうこともあるでしょう。
通常、仏壇の買取価格は安い場合は1,000円、高い場合でも数千円程度が相場です。さらに仏壇を手放す際には、「閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)」をおこなわなければなりません。この手続きには通常、数万円ほどの費用がかかります。
仏壇の買取業者を見つけたとしても、この「閉眼供養」にかかる費用よりも高い買取価格が付くことはまれです。次項では、仏壇を処分する際の「閉眼供養」について解説します。
仏壇を処分する際の閉眼供養の方法や流れ
新しい仏壇を購入する際には、「開眼法要(魂入れ)」と呼ばれる儀式がおこなわれます。これは故人の霊を目覚めさせ、それを仏壇に納めるための儀式です。逆に仏壇を手放す際は、「閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)」をしなければなりません。こちらは故人の霊を仏壇から離し、納めるための儀式です。
魂抜き・お性根抜きの儀式を怠って仏壇を処分してしまうと、故人の魂がまだ仏壇に宿ったままで処分されてしまう可能性があります。仏壇を処分する前には、閉眼法要がおこなわれたかどうかを確認してください。
閉眼供養の手続きは、以下のような手順に沿って進めていきましょう。
- 依頼手続き
- 閉眼供養(魂抜きとお性根抜き)の儀式
- お焚き上げ
- 最終処分
閉眼供養は、葬儀や法要をおこなう菩提寺に依頼するのが通常です。まずは菩提寺に連絡し、仏壇の処分について相談しましょう。万が一、菩提寺がわからない場合や遠隔地である場合でも、近隣の寺院が引き受けてくれることがあります。
近隣に寺院がない場合は、仏具店に依頼することも考えましょう。できるだけ購入した仏具店に依頼するのが良いですが、わからない場合は近隣の仏具店でも問題ありません。遺品整理業者に依頼して、魂抜きやお性根抜きの儀式をおこなうこともあります。
依頼先が確定したら、住職を自宅に呼ぶか、寺院や仏具店に仏壇を持ち込む日程を決めます。双方のスケジュールを調整しましょう。
自宅に住職が訪れる場合、部屋が乱雑な状態では失礼です。部屋に入れない場合は、別の部屋に移動させるか、一時的に外に出して魂抜きやお性根抜きの儀式をおこないます。仏壇を持ち込む際には、注意深く運搬することを心掛けましょう。
仏具店や遺品整理業者の場合、運搬も手配できるかもしれません。準備が整ったら、住職が魂抜きやお性根抜きの儀式を実施します。最後に、魂抜きやお性根抜きが完了した仏壇を、お焚き上げや他の方法で最終的な処分をして完了です。
仏具を高く買取してもらうための4つのポイント
仏具を売却する場合、多くの人ができるだけ高額で取引したいと考えるでしょう。以下のポイントを押さえて、買取査定を受けることで、買取価格アップが期待できます。
- 付属品とともに査定に出す
- 仏具が複数あればまとめて査定に出す
- 保管状態や方法を確認する
- きれいに掃除してから査定に出す
いずれも基本的には、通常の美術品などの買取価格をあげる方法と同様です。それぞれ、くわしく見ていきましょう。
1.付属品とともに査定に出す
商品に付属するアイテムが揃っていると、再販が容易になるため、高額買取のチャンスが高まるでしょう。具体的には、商品を購入した際に付属していた箱・袋・保証書・鑑定書などが付属品に該当します。これらの付属品があれば、仏具と共に査定に出してみるのがおすすめです。
とくに仏像の場合、「共箱」の有無が重要なポイントになります。共箱も保管している場合は、査定時に提供してください。箱には作者や作品名、仏像の詳細な情報が記載されていることがあるためです。これらの情報は、鑑定に役立つ場合が多いため、仏像とともに提示すると良いでしょう。
ただし、依頼先によっては、共箱がない場合でも査定できるケースもあります。業者に仏具の鑑定ができる専門スタッフが在籍している場合は、共箱がなくても適切な査定できるでしょう。また共箱以外の付属品が揃っていない場合でも、買取の対象となる可能性があるため、迷っている方は相談してみてください。
2.仏具が複数あればまとめて査定に出す
異なる仏具をまとめて査定に出すことで、買取額が向上するかもしれません。仏具以外にも売りたい品がある場合は、一緒に査定に出してみましょう。
買取業者へ依頼する場合は、いくつかをまとめて依頼するのが効率的です。実家を整理する場合などのタイミングで、活用してください。中には「これも売れる可能性があるかな?」と思うアイテムがあるかもしれません。買取の対象となることがあるため、気軽に利用してみてください。
3.保管状態や方法を確認する
仏具に限らず、保存状態が劣悪な商品は、鑑定価格に大きな影響を及ぼします。とくに木製の仏具の場合は、湿気に対して脆弱です。木製の品々をはじめとした仏具を保管する場合は、湿度の高い環境をできる限り避けなければなりません。
木製の仏具を高温多湿な場所に長時間放置してしまうと、カビが生じる可能性があります。対策には、乾燥剤などと定期的に交換しながら保管する方法が挙げられます。
4.きれいに掃除してから査定に出す
汚れたままの品物では、仏具に限らず高い買取価格は期待できません。古びた仏具であるからと言って、埃や汚れがついたまま買取査定に出すと、汚れている分だけ査定額が減少してしまうことがあります。
仏具を査定に出す際には、事前にセルフクリーニングをおこなうことをおすすめします。セルフクリーニングとは、乾いた布で埃を拭き取るなどのごく簡単な作業です。
自己判断で、過度なクリーニングをしてしまうと、かえって仏具を傷つけてしまうかもしれません。あくまでも、柔らかい布でサッと磨く程度にとどめておきましょう。
仏具を買取に出す際の注意点4つ
仏具の査定の際には、各仏具に焦点を当てた「注意すべきポイント」が存在します。本章では以下4つのポイントについて、それぞれ解説していきます。
- メッキ品は買取できない場合もある
- 査定前に作者名や購入時期などを確認する
- 家族やお寺などに相談をする
- 査定に出す前に引き出しを確認する
1.メッキ品は買取できない場合もある
「パッと見た感じは純金製に見えたのに、メッキ品だった」というケースがあります。メッキ品は貴金属としての価値が認められないため、買取そのものを拒否されてしまう可能性があるでしょう。
仏具には一見、堂々とした重量感を持っており、純金でできているかのように見えても、実際には真鍮の製品に金メッキが施されているものも多く存在します。査定を依頼する際には注意しなければなりません。
2.査定前に作者名や購入時期などを確認する
仏具には、古美術品や美術骨董品として評価されるアイテムも存在します。このような仏具を売却する際には、製作者の名前や購入時期、購入価格などの詳細情報を調査しておくと、高額で取引してもらえる可能性が高まります。
さらにアイテムに付属する箱や鑑定書、保証書がある場合には、それらをセットで査定してもらうとより良いでしょう。これら付属品には、上記のような情報が記載されているため、高額買取が期待できます。
3.家族やお寺などに相談をする
仏具を処分する際は、事前に家族や親族への相談が必要です。相談せずに独断で処分してしまうと、後々問題が生じる可能性があります。とくに、日々仏壇に手を合わせる習慣のある人が家族内にいる場合、仏壇の処分に反対する可能性も考えられます。
相談する場合は最初に、仏壇を処分する理由を丁寧に説明しましょう。場合によっては異議を唱える家族・親族宅に、仏壇を設置(移動)することも一つの方法です。
お寺に相談することも、検討してみましょう。仏壇の処分に関する考え方は、宗派や寺院によって異なることケースがあります。菩提寺が存在する場合は、処分後のトラブルを未然に防ぐためにも、事前に相談しておくことが賢明です。
4.査定に出す前に引き出しを確認する
仏壇には、多くの引き出しを備えたタイプも存在します。お金や通帳などが、仏壇の引き出し内に収められていることも、決して珍しくありません。
とくに両親から受け継いだ仏壇などでは、貴重な品物をしのばせたまま忘れられてしまうこともあります。仏壇を手放す前には、収納スペースに何かしらの品物が納められていないか、もう一度確認しておかなければなりません。
仏具を買取に出す際の注意点4つ
買取依頼に応じてもらえる仏具であれば良いですが、なかには仏壇をはじめ、買い取りが難しいものもあるでしょう。買取できなかった仏具・仏壇を処分する方法は、大きく以下の4つに分かれます。
- 買い替える場合は下取りする
- 自治体に粗大ゴミとして処分してもらう
- お寺に引き取ってもらう
- 買取業者や仏壇仏具店に処分してもらう
上記から自分自身にとって、もっとも処分しやすい方法を選んでください。
1.買い替える場合は下取りする
新しい仏壇を購入しようと考えている方は、古い仏壇を下取りに出すことも選択肢として検討しましょう。通常の仏壇の購入に比べて、費用を節約できる場合や、処分にかかる費用を軽減できる場合があります。
下取りプランでは、仏具専門店が魂抜きの手続きをしてくれる場合もあるため、問い合わせしてみるのがおすすめです。ただし「その店舗で購入した仏壇に限り下取り可能」といった条件が存在することもあるため、注意しなければなりません。自分で持ち込むのではなく、引き取りが必要な場合には、別途費用が発生することもあります。
2.自治体に粗大ゴミとして処分してもらう
閉眼供養の後の仏壇は、自治体が設けた規制に基づき、粗大ゴミとして処分可能です。仏壇のサイズが小さい場合は、自分で分解して一般廃棄物として処分できる可能性もあります。
粗大ゴミとして処分する際には、お住まいの自治体で手続きや料金を確認しましょう。一例として、近隣のコンビニやスーパーマーケット、郵便局で「大型ごみ処理手数料券」の購入が必要な場合もあります。その場合は購入後、処分したい仏壇にその券を貼り、指定された日時に指定の場所へ持参すれば、処分してもらえます。
方法によっては、処分の申し込みから実際の処分までに時間がかかることもあります。また回収場所まで、自分で運ばなければならないというデメリットもあるでしょう。
しかし、比較的手頃な費用で処分できる点は大きなメリットです。処分にかかる費用は、多くても3,000円程度に収まるでしょう。自治体によっては、回収してもらえない場合もあるため、しっかりと確認することをおすすめします。
3.お寺に引き取ってもらう
しかるべき供養をした後に、お寺に引き取ってもらう方法もあります。お寺に依頼する場合、閉眼供養とは別に、費用が必要です。通常は葬儀や法事をおこなう菩提寺に依頼しますが、状況によっては菩提寺以外のお寺でも引き取ってもらえるかもしれません。
料金は、「お布施」として支払われます。そのため、決まった金額は存在しません。お寺の宗派などによっても異なるため、事前に確認しておきましょう。閉眼供養の後、スムーズに処理できる方法といえます。
4.買取業者や仏壇仏具店に処分してもらう
買取業者や仏壇仏具店に、引き取りを依頼する方法もあります。多くの業者は、仏壇の魂抜きやお性根抜きからお焚き上げまで、幅広い依頼に対応可能です。仏壇はお焚き上げや処分がおこなわれるのが一般的ですが、価値のある仏壇であれば、買取を打診されるかもしれません。
他にも処分したい物品が多くある場合は、遺品整理業者に依頼すると良いでしょう。まとめて依頼することで、仏壇や他の整理にかかる時間や費用を、削減できる可能性もあります。
仏具の買取なら永寿堂にお任せ下さい
永寿堂では、仏具の買取サービスを提供しております。仏具の売却を考えている方は、ぜひ当店にご連絡ください。当店は創業以来、仏具の買取を行っております。一般家庭用の仏具では買取りできない場合が多いですが寺院様の仏具は状態が悪くても買取り可能な品が多くあります。
仏具を手放す理由は人それぞれですが、もちろん秘密は厳守し無料買取も可能。香炉やおりん、五具足、袈裟など幅広いアイテムを取り扱っており、豊富な買取実績がございます。店頭での買取だけでなく、出張買取や宅配買取など、お客様のご希望に合わせた査定・売却方法をご選択いただけるでしょう。仏像の買取りをはじめ大切な仏具の査定・売却をご検討の方は、どうぞお気軽に当店へご連絡ください。
【永寿堂のお問い合わせ】
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
まとめ
仏壇や仏具は、買取が難しい場合もあります。念のため、廃棄する前に買取業者へ査定を依頼してみましょう。業者によっては、少額でも買取価格を付けてくれるかもしれません。また、価格がつかなくても、無料で引き取ってもらえるケースがあります。
仏壇や仏具などの専門的なアイテムは、処分にコストがかかる点に注意が必要です。できるだけコストを抑えるためにも、まずは相談してみることをおすすめします。
骨董品コラムの
ピックアップ記事
2024.04.03
茶道具と骨董品の世界!歴史と美の交差点を探る
2024.01.25
骨董品で高く売れるものは?その特徴やおすすめできない売却方法もご紹介!
2024.02.02
骨董品には需要がある?価値を最大限に引き出すコツもご紹介!
2022.05.18
骨董品の種類まとめ|価値のあるものの特徴や高く売るためのポイントを解説
2022.05.17
骨董品とは?骨董品とは何なのか?定義や種類について解説
2024.04.26
価値ある骨董品とは?有名な骨董品作家についてご紹介!
2024.01.05
骨董品の買取相場はいくら?買取時のポイントや買取方法などを解説!
2024.03.30
なぜ骨董品の需要が高いの?需要の秘密と価値を高めるコツもご紹介!
2024.10.04
高い買取価格を期待できる銀瓶の特徴とは?買取業者を選ぶポイントも紹介